第26話

「俺はカナちゃんが消えることを望んでない。」


「そんなの反則だわ!望みを叶えてくれるって言ったのに!…っあたしを騙したの?!」


「そうじゃない。俺がカナちゃんを消滅させられるのは本当だよ。でもそれは、俺がカナちゃんを必要としなくなった時だけってこと。」


「必要って…。あたしはただの闇人形なのよ?支配から外れてる時点でなんの役にも立たないわ。そんなあたしを必要とする奴なんて…!」


「俺がいる。俺は最初に言ったじゃん。君が欲しいって。」


「身体ならいくらでもあげるわ!」


「心も魂も全部ひっくるめて君が欲しいって意味だよ。」


「なんで?!あたしほど価値のない命なんてないのに…!」



言い切った瞬間、トッキーによってソファに押し倒されていた。



反転した視界には、トッキーが少し怒りを滲ませた眼差しであたしを見下ろしていた。



「価値があるかないかは俺が決める。カナちゃんは既に俺のものとして動いてるんだから。」


「な…!」

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