第25話

求められないと生きていけない人形としての性質と付き合わなければならないとしたら、



トッキーに求められているからいつもより長く動けたり、求められなくなった瞬間、急に動けなくなったりしたってわけだ。



「キスしたり抱きしめたり、こうして身体をくっつけることは求めるって行為になるからするの?」


「そうだけど、そうじゃない…、かな。」


「うん?」



結局どっちよ?と見上げると、トッキーはなんだか複雑そうな顔をしていた。



「言ったよね?俺は君が欲しいって。」


「それがなに?」


「それを了承した時点でカナちゃんは俺と契約したことになる。」


「な!」



人間じゃない存在だからこそ、口約束だろうがそれは契約になり制約になる。

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