#2 はじめての逆転

<前回まで>

ダンジョンを出た後すぐに襲ってきた3人の盗人たち。

残りHPは1ケタとなり、相手がいつ倒れるかも見えない戦いの中、最後の一撃を何とか耐え、相手にとどめを刺したのであった。

――――


戦いが終わった。

そばでふわふわ浮いてる幽霊は戦闘には一切加わらない。非情である。

盗人の一人が、奇妙な仮面を落とした。


おもむろにそれを拾い、自分の顔にはめる主人公。

まさに自分が仮面をはめるような演出で、今後の世界は仮面越しに見ているのだとわかる。なかなかにエモい演出。


幽霊曰く、屍人は街には入れないのだとか。

どうやら、主人公の外見は屍人のソレらしい。ゾンビみたいなことだろうか……?

仮面をつけていても怪しい外見なのだが、屍人に見えるよりもマシだということで、以降主人公は仮面をつけて戦う「仮面の男」となる。


まさか盗人の仮面を奪って自分のトレードマークにするとは。

倒した敵の道具を使うなんて……少年心がくすぐられる展開である。


街へ入ると、固有キャラっぽい王女様が「王様を救いにダンジョンへ向かえ」と宣言している現場に立ち会う。今回の王様は囚われの身らしい。これまでのウィザードリィだと人間は無骨な印象だったが、王女は愛らしい。それでいてウィザードリィの世界に溶け込んでいる。絶妙なバランス。とても良いと思います。


さて、街をうろつくとまさに中世といった建物が並ぶ。

冒険者ギルドの中には酒場があり、宿屋の馬小屋にも泊まれる。馬小屋は0ゴールドで泊まれるが、身の危険が及ぶらしい。


こういう細かい設定がしみる。


さて、そんななか見慣れない施設がある。

「廃屋」である。


行ってみると本当にただの廃屋で何もないのだが、同行の幽霊曰くひとめにつかず都合がいい場所とのこと。そこで、主人公は「右腕の逆転」を試すことになる。


本作の特徴的なポイントとして、主人公が右腕をかざすとガラクタを修復することができる。この原理としては「時間を巻き戻している」らしい。同様の原理で、ダンジョンで拾った骨に右腕をかざすと、なんと骨から冒険者を復活させることができるのだ。


ちょっと信じがたい出来事だが、なるほど。

まあ主人公自身もダンジョンの中で生き返ったっぽいので、それを他にも転用できるのかもしれない。


ちなみにこのタイミングで、いわゆる「ガチャ」が解禁される。


あぁーーーはいはいはい。

このゲーム、「骨」がガチャ券なんだわ!

そんなことってある!?


いや、現実にいま目の前で骨から人間を精製するという話が展開されているわけで、そういうものだと言われれば納得するしかない。


さて、はじめての逆転ガチャをする私。

最初はどの職業の骨を復活するか確か選ぶことができたので、僧侶と盗賊を選択して逆転ガチャをする。

ゲットしたのは以下の二人である。


・僧侶:マリアンヌ

・盗賊:フィリプ


骨から復活させた後で、冒険者ギルドで彼らを冒険者として登録しなければならない。その際、ボーナスパラメーターを決めたり名前を決めることができるのがウィザードリィらしくて楽しい。


主人公は戦士らしい前衛職のため、これで以下のようなパーティを組むことができた。


前衛 【 】・主人公・【 】

後衛 僧侶・【  】・盗賊


うん、いいぞ。

これでダンジョンに入ってみよう。

主人公が攻撃を受けて、僧侶が回復し、盗賊が宝箱を開けるのである。

完璧だ。


私のはじめての逆転ガチャは、きっと完璧だ。

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