伊勢書物語〜伊勢神宮の巫女は術使い〜

序章

書いた文字が本当になってしまうという力と、未来を読む力を併せ持つ、伊勢神宮に使える伊勢家。

伊勢家は幻とされ、歴史にはあまり名を残さなかった。残したのはほんの一部。

それは…伊勢家で最も栄えた、その代の偶然見初められた巫女、伊勢 実夏（いせ みなつ）の時代のみ。

伊勢家が記された書物にはこうあった。

伊勢 実夏が当主だったころ、伊勢家に勝る権力を持つ家はなかった、と。

伊勢神宮を拠点にしている伊勢家がどうしてここまで権力を手にしたのか、伊勢家が持つ力とは？