第29話 許嫁と遊ぶ
「あ、アニメですか……?」
「ああ、一緒に見ようぜ!」
パットをテレビに接続して
見れるようにする。
ここにはアンテナ無いから
テレビも見られないんだよな……。
サブスクからいくつかの
アニメを選べるんだが……。
「どんなのが見たい?」
「え、えと、わかりませんっ
旦那様が見たいものなら
なんでもいいですっ」
ふむ……あんまり自我のない子だな。
とりあえずハマりそうな最新作を……。
これならどうだろうか。
「おおーっ」
魔法少女モノを
食い入るように見ている……。
相当娯楽に飢えているのかもしれない。
「普段は何をしてるんだ?」
「はいっ、勉学、幻術の修行、
お清め、お祈り、一通りの習い事を……」
「遊んだりは……」
「そ、そんなこといたしませんっ」
う~~ん、ガチガチの名家って感じだ。
今日はなるべく遊ばせてあげよう。
「よし、じゃあ今日は
いろんなアニメとか映画とか
見ようぜ!!」
「は、はいっ!」
そうして俺達は
夕食までぶっ続けで
映画やらアニメやらを視聴した。
黎亜はちくいち興奮していた。
「夕食は食べていくのか?」
「ああ、えと、お望みならば……
今日は旦那様の望み通りに
過ごせと言われていますっ
朝帰りになってもかまわないと……」
「じゃあ今日は徹夜で
色々遊ぼうぜ!!」
「は、はいっ」
ひとまず夕食。
その日の夕食もまぁ豪勢だった。
黎亜は美味しかったのか、
もくもくと大量に食べていた。
普段あんまり食べてないんだろうか……。
各々、風呂に入り終えると
八雲や妹を誘って
カードゲームに勤しむことに。
うちにもトランプとか
簡単なものならあるんだよな。
その日のトランプはかなり白熱した。
しかしこんなことなら
色々ボードゲームやら
買い込んでおけばよかったと思う。
八雲に言って買って
もらおうかな……。
「黎亜はどこで寝るんだ?」
「あ、よろしければ
旦那様と同じベッドで……」
顔を赤らめながら言う。
まぁ、七歳で何かを期待されて
いるわけでもないだろうし
一緒に寝るぐらい……いいか!
……と思ったのだが。
ふわふわして柔らかい。
なんかいい匂いもするし……。
体温高いな……。
別に興奮するほどじゃないけれど。
流石に性的に興奮するのは
あと十年は早いぜ。
結局、眠れないということもなく
俺は無難にそのまま眠ったのだった。
翌日、黎亜が実家に帰ることに。
「またいつでも遊びに来てくれ」
「は、はいっ」
「お家も許嫁と仲を
深めるのをダメとは言わないだろ」
「もちろんでございますっ!」
そう言って転移陣で実家へと
帰っていった……。
いやぁ、いい子だったな。うん。
ちょっとおませさんなところあったけど。
お土産に気になったらしいラブコメを
いくつか持って帰らせた。
俺と話を合わせるためと言えば
お家も強くは言えないだろうし。
母と八雲がこちらを見つめてくる。
「どう? 黎亜ちゃんは」
「まぁいい子だよな」
「抱く気になれましたか?」
「俺まだ七歳なんだけど……」
名家って怖いな……。
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