14 『ぼろりは、泣いたか』


 『なぜ、トウキョウおんどを、知っている? なぜ、たんこうぶしを、知っているのか?』


 まやしんは、そこんところは、やはり、不思議ではあったのだけれど、おそらく、近年持ち込まれたのに違いないな、と考えて、納得していた。


 しかし。


 ふと、気が付いたのである。


 なんだか、音楽に、ぷちぷちという音、つまりは、雑音が混じるのである。


 『あらま。なんだろう?』


 聡明な読者さまは、もう、その正体は知っている。


 筆者やましんは、いまだ、毎日のようにお世話になっている。


 つまり、21世紀初頭までは、まだ、現役で活躍していたのである。


 しかし、2度にわたる世界核戦争により、それは、ほぼ、絶滅してしまった。


 そ! 🙆


 それは、LPレコードである!


 なんと、まやしんは、知らなかったのだった。


 『あなた、レコードを知らないのですか?』


 おばさまは、まやしんの様子から、素早く、そこを読み取ったのである。


 『雑音が気になるようですね。』


 『はあ。いや、まあ、なんだろかあ? と。はい。』


 『じゃあ、見に行きましょう。』


 おばさまは、まやしんの手を握って、引っ張ったのであった。


 あたり、高い櫓が組まれた回りには、出店がたくさん並んでいて、赤い祭り提灯が、わんさと吊り下げられていた。


 提灯には、『祭』という文字が描かれていたのである。


 作者は、泣いた。



     🍩レコードチャウ










 



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