13 『いざ、ぼろり』


 そうして、地球では年末を迎えようとするこの時期に、『ぼろり』は、はじまったである。


 『ぼろり』は、作者が子供時代に町内の『盆踊り』を指して呼んでいた用語である。


 開始は、もちろん、『トウキョウおんど』であった。


 『トウキョウ』とは何か?


 『おんど』とは何か?


 実は、ここにいる殆どの月人は知らないのである。


 『トウキョウ』、それは、かつて、地球にあった、いにしえの都である。


 近年、発掘調査が行われているから、その実情もやがて分かってくるに違いない。


 しかし、なぜだか、この音楽は残ってきたのであった。


 『ぼろり』の躍りかたには、特に約束はない。


 とにかく、身体を動かせば良いのであった。


 『月人』は、古い時代に、地球に住んでいた人類の仲間から分かれてきたとされている。


 同様のものには、『我々』があるが、現在『我々』は、事実上の鎖国をしている。地球とほぼ一致する軌道を持つが、次元が少しだけずれているため、近寄っても見ることはできないし、衝突もしないとされる。それは、『ジラ』のテクニックによるものである。


 『女王ぷりん』さんは、いまだに地球に潜伏しているとされるが、それが誰かは分かっていない。


 『我々』の祖先は、ネアンデルタール人であり、その謎の生命体『ジラ』によって、『反地球』に移住をさせられた。


 一方、『月人』は、やはり、太古の地球人類の亜種の子孫であるとされる。


 しかし、なぜ、地球から月の地下に移動したのかなどは、実は何も解ってはいないのである。


 『トウキョウおんど』の次は、『たんこうぶし』であった。


 こちらは、現代月の地下世界でも、人気のナンバーである。


 それはもう、歌詞を見れば、良く分かるだろう。


 『つきがでたでた~~』


 と、頭から唄われるまさしく名曲である。


 ただし、『月人』は、あまり解ってはいないが、これは、一種の『ラブソング』でもある。


 しかし、そうしたことは、月の『ぼろり』の在り方とは、なにも関係していない。


 それは、『オペレッタ ‘’ミカド‘’』や『歌劇 ‘’蝶々夫人‘’』でも、巧みに発揮されているわけである。



 そうして、ついに、あの『はながさおんど』が登場したのである。



      💃🕺









 

 


 

 

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