8 『緋色のヒーローと橙色のヒーロー、どちらも疲労を披露しているのか?』


 まやしんは、とにかく開放された。


 『まったく、迷惑以外の何者にもならないよなあ。また、晩御飯を考える時間になった。』


 しかし、そういうわけには、行かなかったのである。


 帰った早々、事務所に呼ばれたのである。


 ダレルさんが言った。


 『ああ。まやしんはん、今日までごくろはんでした。明日から、来なくていいから。開放しますによって。』


 『は?』


 『くびよ、くび。解雇予告手当ては、振り込んどくから。規定より、ちょっとだけ、積み増ししますによって、かんべんな。』


 『あの。寮は?』


 『週末までは猶予するによって、それまでに、なんとかしておくんなさい。月スローワークの、オソバさんに、頼んだによって、ま、行ってみて。すぐに、紹介するちゅうてましたやねん。』


 『関連会社はダメですか? 似た仕事がよいです。』


 『それがなあ。上側が、嫌っていますねん。』


 『はあ………なにも、悪いことしてないですよ。』


 『わかっちる。しかし、イメージがおチルねん。ここは、イメージが、大事やから。きみは、ヒーローなんだから、堂々と生きましょう、やねん。』


 『はあ、ヒーローは、明らかに、疲労してます。たしかに。』


 『‘’緋色のグループ‘’が、たぶん、雇ってくれると、言っているらしい。』


 『緋色のグループ』とは、月のサービス産業グループである。


 ただし、あまり、良い評判はない。きつい、との噂が立っていた。


 

      😤









 

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