6 『やはり、月は残酷か?』


 まやしんは、取り締まる側ではないし、事件に関係なんかしていない。


 が、なぜだか、月警察に引っ張られてしまった。


 担当は、明地刑事である。


 『きみ、連中の仲間だろ。』


 『はあ? 連中って、なんですか?』


 『しばらっくれ、いや、しらばっくれないでください。食器類乱舞事件のだ。』


 『まさか。そんなことない。』


 『いいかね、きみは、主犯の女性をかばっただろ。』


 『はあ? あのひとが、主犯なんですか?』


 『なんですか? 君が知ってるだろ。』(ずばん!)


 『わっ! 知りません。たまたま、昼間出会ったから、助けるべしと思いました。お客さまでもあるし。』


 『他にも、沢山の客がいたのに、彼女だけかばったのは、意図的だ。』


 『いや、そりゃ、意図的と言われたら、そうかもしれませんが、そんなの、言い掛かりです。』


 『ふん。😠💨。君のことは調べさせてもらった。きみは、いまは、比較的単純作業をしているが、実は、元々、地球情報省にいたね。スパイだ。』


 『違いますよ。アルバイト事務員です。一年更新の。スパイしません。なに調べてますか?』


 『口答え無用。みな、解っているのだ。アルバイトは見せ掛けだ。』

 

 『んな、むちゃくちゃな。人事記録みたらわかるでしょ。』


 『あれは、見せ掛けだと、言っています。』


 『だから、むちゃくちゃだと、言っています。』


 『へえ? なら、アンナさんを知ってるかい?』


 『知りませんよ。』


 『うそつけ。上司だろ。』


 『知りません。ぼくは、ここでも、アルバイトです。指示する人は、ダレルさんだけです。』


 『ふうん。いいかい、さっさと絡んでるやつらの名前を言えば、早く終わるし、帰れるよ。良く考えなさい。1時間休憩。』


 明地刑事は、暴力を振るったりはしなかったが、何を疑ってるのかは、良く分からなかったのである。


 しかし、アンナが、やはり、警察で事情聴取されていることを、まやしんは知らなかった。



    🐨ナニカナア?








 

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