第15話 初陣クエスト
俺達は募集板に貼られているクエストを見ていた。
「どのくらいの敵なら倒せそう?」
ティアは少し間を置いて言った。
「ん………大型は倒せなくはないけどアサシンの本領は小型の殲滅。だから私の力を見たいならゴブリンの群れ討伐、とか」
「どれのこと?」
俺がそう聞くと彼女は無言で指さした。
「え?この『ゴブリン討伐30匹』ってやつ?こりゃかなり多いと思うぞ」
「………問題ない」
………本当か?
俺は不審に思ったので『魔力探知』でティアの魔力を測ってみた。
―――前衛のルドよりは当然多いうえ周りの魔法職には少し勝るっている。確かにこれは強い!
ちなみに一度俺基準で他の人の魔力を測ろうとしたら、いつだったか教官に「お前は規格外すぎるからやめておけ」と言われたのでそれ以降はやっていない。
まぁ制約付きとはいえ世界中の時を止めるんだ、それはそれは多くの魔力を使うのだろう。
するとルドが俺に目でどうする?と問いかけて来ていることに気づいたので俺が代わりに答えた。
「よし、じゃあやってみるか!」
【クエスト:ゴブリンを30匹討伐せよ】
街を北にでて少しした草原で、俺たちは早速ゴブリンの群れを発見した。
―――やっぱ多いなぁ、30匹。
しかしティアは一歩前にでて言った。
「このくらいなら私一人で十分。後ろで待機してて」
「いやいや、流石に女の子一人あそこに放り込むのはないでしょ。最低でも援護するよ」
ルドはそう言ったが全く俺も同意見だ。第一怪我をされても責任が取れない。
「私の力をみたいんでしょ?なら待機してて」
「う、うん」
ルドは少し押され気味に了承した。
そこまで言われるのならしょうがない、本当にまずくなったら介入させてもらうとしよう。
そして彼女は腰からダガーを取り出して深く息を吸う。
「………『雷光八閃』」
彼女がダガーに電気を宿し、眩い光を放ち高速で敵の群れに斬りかかる。
すると斬られた敵から近くの3、4匹に電流が連鎖し、たちまち焦げた屍と化す。
「まじか、まさか一撃で全部とは………」
侮っていた。まじで滅茶苦茶強いじゃないか!速さだって三倍速の俺に匹敵する!
ティアは俺に近づいて聞いてくる。
「私をパーティに入れてくれる?」
「も、勿論です」
【ティア パーティ加入】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます