第11話 決死の1分間
俺は少し後ろにいるルドに話しかける。
「俺が気を引くからお前はさっきみたいに危ないと思ったらバリアで援護してくれ」
「了解」
俺は魔法を掛け直して黒い鎧に接近する。
すると先程とは違い、鎧は直接剣を振りかざしてきた。
俺は斜めに振られた一撃目と二撃目を躱し、三撃目を見、俺はニィと口角を上げる。
―――来た、一文字斬り!
対一文字斬り用に修得してきた技が今なら刺さる!
俺は剣が頭上に触れる直前にしゃがみ、それを避けると同時に身体を仰け反らせて宙に浮く。
「いくぜ、、、」
俺は鎧の頭部に全力で魔力を込めたサマーソルトキックを繰り出す。
―――がしかし、この技には莫大な後隙が存在する。
少ししか効いていなかったのか鎧は無言で、当然のように隙を狙って剣を振りかざしてくる。
だが、そこにはアイツの技が間に合う。
「『
奴の剣技はルドのバリアによって防がれる。
よしっ!連携は完璧だ!
俺は一度下がってルドの元に戻る。
そして再三自分に魔法を掛け直し、魔力放出によるエネルギー弾を飛ばして鎧の気を引く。
するとヤツもエネルギー弾を撃ち返してきたので、俺はシールドを横に展開し、飛んできたエネルギー弾を側面に当てて受け流す。
そして俺は奴を中心とした円を描く軌道で走りつつ攻撃を飛ばし、鎧の攻撃を躱しながら注意を引き続ける。
すると、突然鎧が一瞬攻撃をやめたかと思うと地面を踏み込んで接近してきた。
「―――速」
奴は俺が言い切る前に剣を持たない左腕で右頬を殴り、俺は思い切りの宿舎の横に叩きつけられる。
「………カ、ハッ………」
背中と顔から全身に伝う痛みに耐えきれず、唾が吐き出る。
―――クソッ、足止めを開始してから奴はまだ一歩も動いていなかった………だから奴の速度まで含めた間合いを取り違えていた。
痛みによってまだ動けないでいる俺に間髪をいれず鎧は追撃を狙って接近してくる。
「―っ、『
ルドのバリアがすんでの所で間に合ったが、強度よりも速度を重視し展開されたそれでは奴の剣を防ぎきれない。
バリアは一度、ほんの少し剣を止めたものの、崩壊してしまう。
俺の眼前に突きつけられた剣の峰。
今度は本当に無理かと思ったところで誰かの声が聞こえた。
「『
引き寄せられた鎧はポート教官の隣にいたリヴァース教官の全力の殴りを食らい、俺の横を通過して宿舎の反対側に吹っ飛ぶ。
そして奴に追加の攻撃を加えるべく追うリヴァース教官は俺にすれ違いざまに言う。
「あとは任せろ坊主、説教はこれが終わってからだ」
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