第2話 使い込み

今日も君に会い行ってしまった。

老後に何かあれば使うと決めていた緊急時の貯金を切り崩してまで君に会いに行った。

何か喜ぶものをプレゼント出来たら良いのだろうけど、そんな金は無い僕は弱い客。

それに君は何が喜ぶか分からない薄い関係なのに。

年老いた時の為に取っておいた貯金。

それを崩してまで君の笑顔と温もりを感じたかった。

僕は狂っている。

そして君を心の底から欲しいと思ってしまった。

それは夢物語。

弱者男性には存在価値が無いのだから。

今の僕は心の底から醜いのだ。

それが顔に現れているんだろう。

僕は狂い始めている。

いや壊れたのだろう。

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