第12話:人間になってるのかも?・・・私
「なになに?なんでも認めるし、誓う」
「私を圭ちゃんの恋人だってはっきり認めて・・・一生離さないってはっきり
誓って」
「や、約束する・・・葉見は俺の恋人だし、一生離さない」
「なにがあっても・・・俺がもし死んじゃっても離さない」
「分かった・・・じゃ〜許してあげる」
「それから、もうひとつ・・・私を抱いて・・・エッチして」
「このままだと、圭ちゃんはいつ私を抱いてくれるか分かんないでしょ?」
「わ、分かった・・・」
「まじで?・・・ああ〜よかった〜・・・絶対エッチね約束だよ」
「約束する」
「圭ちゃん・・・私が本気で出てくって思った?」
「え?」
「そんくらいじゃ私は出てったりしないよ」
「なに?それ・・・俺に謝らせるために出てくって言ったのか?」
「だって、まあ圭ちゃんひどいこと言ったからね」
「私も多少なりとも傷ついたし・・・」
「謝ったじゃん」
「まあ、しかたないから今回だけは許す!!」
「また私を傷つけたら次はないからね」
「うん、分かった深く反省してる」
「じゃ〜愛してるって言って? 「愛してる・・・死ぬほど」
「よろしい・・・けど死ななくていいからね」
よかった、なんとか丸く収まったみたいだ・・・とりあえずホッとした。
葉見は正しくて俺が大人気なかったってことかな。
「さ、朝ご飯食べよう?」
「それから圭ちゃん・・・会社やめてもいいよ」
「そのかわり独立したら生活が圭ちゃんの肩にかかって来るんだから私を
ちゃんと食べさせてよ。
「え?食べさせてって?・・・飯とか食わないくせに?」
「ご飯食べられるようになったよ、私」
「うそ、まじで?・・・いつの間に?」
「まじ、まじ・・・試しにトースト食べてみたらなんともなかった」
「だからトイレも普通に行けてるね」
「ほら・・・指に爪も生えて来てるし・・・皮膚だってもうシリコンじゃないし」
「まじで〜?そんなことある?・・・そんな非科学的なこと・・・そんな
不思議なこと?」
「少しづつ人間になってるのかも?・・・私」
「いやいやいや、そんなバカな・・・ラブド・・・」
「あ〜とっとっと・・・今、言おうとしたでしょ?」
「まだ一度もエッチしてないんだからボツ以前の問題だよ、圭ちゃん」
「分かってるって・・・言わないよ、ラブドールなんて・・・・あ」
「もういいよ・・・ペナルティーなんて言ってたらそれこそエッチなんか
いつできるか分かんないもん」
「それより・・・ね、私が人間になるのイヤ?」
「イヤじゃないけど・・・ちょっと戸惑ってるって言うか驚いてるだけ」
「あと付け加えると信じられないってこと・・・」
「言っとくけど〜私、人間になってもバイトとかパートに行くのやだからね」
「だから頑張ってね圭ちゃん」
そう言って葉見は俺をハグした。
「私、圭ちゃんだけだよ」
「だからひとりにしないでね・・・24時間、365日そばにいて」
「いいよ、だけどトイレは一人で言ってよ」
「って言うかちゃんと出てるか確認しに行こうかな?」
「変態!!」
そう言ったあと葉見は俺を見てクスクスって笑った。
で葉見が「少しづつ人間になってるのかもね?・・・私」言ったことが、
はっきりと分かる時が来るんだ。
つづく。
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