第11話:ひとつだけ認めて・・・そして誓って。
目覚めの悪い朝。
葉見・・・今朝は起こしてくれないんだ・・・あ。
そうか・・
俺は眠気まなこをこすりながら洗面所に行った。
魂の受けた亡霊みたいに顔を洗って歯を磨いて・・・いくら悲しくても
習慣づいてることはするんだ。
なにもヤル気がでないまま俺はキッチンに移動した。
(葉見の魂はあの世に無事にたどり着いたのかな?)
「あ、圭ちゃん起きた?・・・おはよう」
「・・・・・え?」
「おはよう、圭ちゃん・・・なにボーッとしてるの?」
「葉見?」
「座ってて・・・すぐ朝食にするからね」
「え?・・・なにやってんの?」
「朝食作ってるんだよ」
「じゃなくて、昨夜出てったじゃん」
「昨夜は昨夜、今日は今日」
「ちょちょ・・・ちょっと待て!!」
「帰ってきてくれたんだ?」
「そうだよ・・・だってここ私のおうちだもん」
「あのまま出てって欲しかった?」
「そんな訳ないだろ?」
「あのさ・・・葉見・・・俺のこと怒ってるんじゃないの?」
「まだ間に合うならさ・・・謝りたいんだ」
「ごめん・・・俺が悪かった・・・まじでごめん」
「俺さ、昨夜言うにことかいてひどいこと言っちゃたよね」
「彼女じゃないとか・・・嫁じゃないとか」
「売り言葉に買言葉って言うかさ・・・ついムキになっちゃって・・・」
「ほんとにごめん・・・俺、葉見をいっぱい傷つけちゃた」
「俺のしょうもないプライドのせいで」
「いくら謝ってもクチしたことは消えないよね」
「いくら謝っても取り返しつかないのは分かってるけど、俺のこと許せない
だろうけど?許して欲しんだ」
「あのさ・・・」
「ひとりでよく喋るね圭ちゃん」
「圭ちゃん、まじで情けない人になってるよ・・・ヘタレ星人になってる」
「ヘタレでもなんでもいいよ、かっこ悪くたっていいよ」
「許してもらえないと俺の気が済まなし俺は俺を許せなくなるよ」
「圭ちゃん・・・もういいよ」
「え?・・・もういいって?・・・じゃ〜出て行かない?」
「出ていかないけど・・・こういうこと一度でもあるとまた同じこと
繰り返すでしょ? 」
「俺が悪かったから・・・二度とこんなバカなことないよう気をつけるから 」
「反省してる?」
「うん、反省してる」
「心から?」
「心から」
「分かった、じゃ〜ひとつだけ認めて・・・そして誓って」
「なになに?なんでも認めるし、誓う」
「私を圭ちゃんの恋人だってはっきり認めて・・・一生離さないってはっきり
誓って」
「や、約束する・・・葉見は俺の恋人だし、一生離さない」
「なにがあっても・・・俺がもし死んじゃっても離さない」
「分かった・・・じゃ〜許してあげる」
「それから、もうひとつ・・・私を抱いて・・・エッチして」
「このままだと、圭ちゃんはいつ私を抱いてくれるか分かんないでしょ?」
「わ、分かった・・・」
つづく。
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