第9話:葉見を前にしてガキみたいなことを思ってる俺。

もういくつ寝ないでも、明日から正月・・・だから今日は大晦日。


「圭ちゃん・・・お正月のお休み、たくさんあるからいっぱいエッチ

できちゃうよ」


「まあ、一週間はゆっくり過ごせるかな・・・」


な、わけない・・・それは俺の甘い考え。

四六時中俺に俺にへばりついてるラブドールがいるからな。


んで、とりあえず俺は葉見はみるを連れて年越し蕎麦を食べに・・・

そのついでに初詣に出かけた。


蕎麦は神社へ行く途中にある「満腹亭」って料理屋さん。

そこの「蕎麦」が美味いんだ。

食べられない葉見には可哀想だけど俺は「蕎麦」が食べたかったからね。


で、俺だけ美味い美味いって蕎麦を食べて葉見と手をつないで神社へ。

たくさんの参拝客が初詣に来ていた。


賽銭あげて一年を感謝してから今年一年の無病息災、家内安全を願った。

神様の存在なんか信じてないくせに・・・神様に手を合わせたりすると

安心するって言うか俺も人並みって言うか凡人なんだって思う。


神社をあとにする前に葉見とおみくじを引いた。

俺は中吉・・・可もなく不可もなく・・・面白くもない・・・せめて凶なら

文句も言えたのに・・・。

葉見は・・・大吉・・・なにかいいことがあるといいな・・・俺まじ心無い。


さてぶらぶら歩いて道草食いながらマンションに帰った俺たち。


で、その夜、葉見は俺と風呂に入りたがった。


ラブドールなのに普通に風呂入ってるな・・・シリコン大丈夫か?

風呂に入らなくても体を拭くか洗うかしたって別にいいんだけどな。


そう言えば葉見と一緒に風呂に入るのは今夜がはじめてだった。

この子を買って以来、葉見の裸を見るのもはじめてだった気がする。

なんやかや言ってラブドールなのにエッチできてないし・・・。

なんのために買ったのか・・・。


風呂に入ってなんとなくヨソヨソしいのは俺だけ?。

彼女は自分の裸を俺に見られるのは平気みたいだ。

お互い湯船に入って・・・目の前に葉見の可愛い顔があって、で下にたわわな

おっぱいがあって・・・つい揉んでみたくなる・・・吸い付きたくなる。


俺と一緒に風呂に入れて葉見は嬉しそうにしてる。

体を拭きながら鼻歌なんか歌ってる葉見。


風呂から出たら俺は葉見をなるべく見ないようにしてテレビをつけて

ソファに座った。

そしたら葉見が俺の横に座って俺の肩にもたれた。


「圭ちゃん・・・私ドキドキする」


「え?なんで?・・・どこか具合でも悪いのか?」


んな訳ないのは分かってる・・俺が情けなくなってるだけなんだ。

俺の方が浮き足立ってるだけなんだ、もしかしたらこれから起こるかも

しれないことに。


だめだ・・・・勇気出せよ。

どっちにしたっていつかはこうなる時が来るだろう?

今夜がいいチャンスじゃないか?


なにかを求めるように葉見は黙ったままつぶらな瞳で俺を見つめる。


分かってるよ・・・分かってる。

俺だって自分の気持ちが抑えられないくらい欲求がピークまで来てるよ。

でもさ、きかっけが掴めないんだ。


きかっけがさ・・・それと勇気が・・・。

たしかに想像はしたよ、可愛いラブドールとエッチしているの俺のこと。


無性にエッチしたいって、それが俺の本音だったりする。

だけど分中に葉見がいるって意識が俺を躊躇ちゅうちょさせてるんだろう。

たとえラブドールでも汚しちゃいけないって気持ちが働いてしまう。


まだ葉見の魂が入る前のラブドールだった時なら・・・。

でも今は葉見と言う存在になっちゃったから、なおさら手を出すことを

ためらっちってしまう。


エッチさせて?って言っても拒否はされないとは思うけど・・・。

考えてみたら俺が臆病な男だから、元カノとも一度もエッチしないまま別れた。

エッチしてやらなかたっことがそもそも別れる原因になったのかもしれない。


だからちゃんと葉見の気持ちに応えてやらないと彼女も失っちゃうかもしれない。


今夜、葉見は俺を待っていたのは分かってる。

だけど葉見のクチからエッチしてって言葉はまだ出ない・・・俺がクチにするのを待ってるんだ。


だけど結局、大晦日の夜、葉見は俺に可愛がられることなく一人眠った。

俺も悶々とした気持ちを抱えて眠った。

葉見を横に見ながら・・・。


もう少し待って・・・ちゃんと君を受け入れるから・・・。


つづく。


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