第8話:もしかしたら生理だからかも。

「だって立場的に傷つけられるのは女のほうでしょ」

「それは男性がどうしようもない性欲魔神だからだよ、自業自得だね」


「性欲魔神か・・・違いないわな」


「でもラブドールに関しては偏見・・・ラブドールを敬遠するのは

ラブドールに失礼だよ、さっきも言ったけけど一般的商品としての総称って

だけだろ?」

「どんな商品にだって名前や呼び方は必要なんだし・・・」


「ほらまた〜商品なんて・・・」

「私は生きてるんだからね・・・商品じゃないから」


「なにも葉見のことを言ってるわけじゃないだろ?」

「なんか今日絡んでくるね」


「あ〜もしかしたら生理だからかも・・・」


「・・・今なんてった?」


「生理・・・」


「なんでよ・・・ラブドールが生理になんかなるわけないだろ?」

「そんなことが起こったら人類絶滅だわ」

「てか、ひいては少子化問題にも発展するだろ?」


「ほらまた言った」


「なにを?」


「ラブドールって」


「あ、悪い・・つい・・・もうクセになってるな」


「今度そう言ったら、ペナルティー課せるからね」


「なんだよ、ペナルティーって?」


「今度また言ったら、エッチさせてあげない」

「言うたびに私とのエッチが遠ざかっていくから・・・」


「あのな〜ペナルティーもクソも、まだ一回にもやってないだろ?」

「なにボケかましてんの?」


「圭ちゃん、私としたい?」

「そりゃね・・・男と女が一緒に暮らしててなにもないってのは不自然だからね」


「じゃ〜生理が終わったらする?」


「まだ言ってんの?」


「あ、そっか・・・生理になったって思うのはきっと生きてた時の習性だね 」


「習性ね・・・思い込みだろ?」


「そういや気のせいかもしれないけどさ、なんか葉見どんどん人間っぽくなって

きてるきがする」

「最初に俺のマンションに来た時より人間っぽくなってるよな」


「たとえば、どこが?どこが?」


「どこがって・・・たとえば皮膚とか・・・産毛生えてきてないか?」

「たしかに昔に比べたら最近のラブ・・・・・・はリアルにはできてるんだろう

けど、それでもな 」

「表情だってずっと豊かになってきてるし・・・」


「そうかな・・・私変わってきてる?」


「気のせいじゃなく間違いなく変わって来てるって思うけど・・・」


「じゃ〜そのうち圭ちゃんと一緒にご飯食べられるようになるかも・・・」

「圭ちゃんとラブラブでご飯食べられるようになったらいいな」

「それって夢だね・・・」


「ああ・・・飯が食えるってことは必然的に排泄もするようになるから

非経済的かな?」


「なに?非経済的って・・・喜んでくれないの?」


「いやいや、そりゃそうなったら喜ぶよ」

「進化の過程には、いろんなリスクが伴うもんだなって思ってるだけ」


「私がご飯食べたり、オシッコしたりし始めたら公共料金が増えるって

心配してるんでしょ?」


「いや、ラブ・・・葉見がより人間らしくなるなら素敵なことだし・・・」


「理想通りにはいかないよ、嫌ならラブドールのままいてもいいし・・・」


「お〜い自分からラブドールって言ってる・・・」

「俺にペナルティ課せるなら無理やり押し倒してエッチするぞ!!」


「受けて立ちましょ・・・かかってらっしゃいよ・・・お風呂入ってるし

今なら舐められても汚くなし・・・」


「女の子が舐められるなんて言うなよ、恥ずかしくなるだろ?」


つづく。




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