第7話:そのラブドールっていい方やめない?。
さて
なんて経済的。
最近は俺が会社に行ってる間、なにもしないってのも気がひけるのか
葉見はタブレット片手にレシピを見ながら料理を作る練習をしてるらしい。
だから会社から帰ると台所からいい匂いがして来る。
こういうのはとってもいい傾向。
家に帰るとさ、待っててくれる人がいて晩ご飯が出て来るっていいんじゃん。
ただ葉見の料理はまだそれほど上手くないから、まじ美味ってほどじゃない。
俺自体は好き嫌いがないから、多少美味くなくても葉見が作ったものは全部
残さず平らげる。
残したりしたら可哀想だからね。
だから葉見は綺麗に食べた俺のお茶碗やお皿を見て喜ぶ。
だけど自分はご飯を食べないから俺がご飯を食べてる間は俺の横に座って俺が
ご飯を食べてるのを嬉しそうに見ている。
時々自分も箸をもって、あ〜んって俺に食べさせてくれる。
最近に葉見は表情も豊かだし・・・。
そんな彼女を見てると、なんかまじで、より女の子らしく見える・・・。
俺の気のせいじゃないと思うんだけど・・・。
だけどラブドール・・・所詮は作り物だから皮膚の劣化とかないのかな?って
思うけど、そういうのも今のところ見られない。
そこは葉見の魂が頑張ってるのかもって思ってしまう。
魂になっても女は女。
若くありたい綺麗でいたいって言う女の執念みたいなもんかもな?
不思議だよな。
あとは葉見の服に対する関心だね、まあ部屋の中ならスッポンポンでも
いいんだろうけど、そこは女の子、ファッションには興味があるらしい。
まあ生きてた頃は普通に興味あっただろうし・・。
そこで俺は葉見を連れて彼女の服を買いに行くことにした。
どうしても一人でブティックなんかに行けない女の子と住んでるとそうなるわな。
「あのさ明日、土曜日だし会社休みだから葉見の服でも買いに行こうか?」
「いいね・・・私が圭ちゃんのマンションに来てから初デートだね」
「お〜そういやそうか・・・ふたりで外に出るのはじめてだもんな」
ラブドールなんか連れて街をうろうろしてたら変態って思われるかな?
おかしな光景だもんな。
「ラブドール連れて買い物に行ってる男なん俺くらいだろうな?」
「あのね、そのラブドールっていい方やめない?」
「え?嫌なの?・・・ラブドールはラブドールでしょ?」
「なんだかそれって人形でしょ?モノみたいだし使用感ありありな感んじ」
「私、もう人形じゃないし・・・」
「そうなの?・・・じゃ〜ラブドールって呼ぶのやめるわ」
「だけどラブドールって呼び方、それなりに可愛いと思うけどな」
「 前まではダッチワイフって言ってたみたいだよ」
「南極1号とかさ・・・」
「わ〜それ嫌な感じ・・・そんないい方いかにもな感じ、セクハラだよ?」
「セクハラってね、それが普通だった時代もあったんだよ」
「男社会の歪んだ背景が垣間見えるね」
「でも今は女社会なんじゃないの?セクハラ、パワハラ、ドメスティック」
「それって女性のバリアみたいなもんだろ?」
「なにかあったら訴えられるのは男の方だし・・・」
「だって立場的に傷つけられるのは女のほうでしょ」
「それは男性がどうしようもない性欲魔神だからだよ、自業自得だね」
「性欲魔神か・・・違いないわね」
つづく。
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