Rp:2 薬局の収入源
薬局の収入は主に2つ。薬剤料と技術料だ。
領収証の明細をしっかり見る人は少ないと思うが、薬局で支払う金額のうち薬剤料は非常に少ないことが多い。
薬剤料はその名の通り、薬そのものの値段だ。
これに関しては一般的な商売と同様に仕入れ値と売値の差が薬局の利益になる。
売値は基本的に厚生労働省が定めた薬価基準に基づき決められている。
よって薬局は卸から仕入れる値段をどれだけ安くするかで利益が変わってくる。
次に技術料。薬局の収益源の8割程度がここになる。
技術料とは自動車整備工場でいう工賃に当たるものだ。
整備士がお客さんからの複雑な要望に応えると高い工賃を請求できるように、薬剤師も患者さんに対して高度な調剤行為をすると同じ薬を交付するだけでも高いお金を頂くことが出来る仕組みだ。
ホーム薬局では適切な調剤行為をしているにも関わらず算定していないものや、現在の報酬制度を把握せず仕事を行っていないことが多かった。
大手で勤務する薬剤師や管理職なら報酬制度を把握するのは仕事の一部だが、田舎の薬局では疎い人も多いのが現状だ。
僕はまず技術料の向上のため指導を行うことにした。
「小林さん、技術料を上げるには個々のスタッフが調剤報酬について勉強する必要があります。
連携強化加算や医療DXの算定は手続きをすれば簡単ですが、後発率の向上や地域支援の算定はスタッフ全員が制度を理解し患者さんへの説明が必要です。」
「そうか、じゃあスタッフの教育と後発率の向上を同時並行で行うのがいいのかな。
とりあえず算定に関わる書類手続きは僕がやっておくよ。スタッフのみんなには桜井くんが薬局を引き継ぐことはとりあえず伏せて、業務改善を任せるとだけ伝えておくね。引き継ぐかどうかは今後の数字次第だからね。」
「ありがとうございます。僕もすべての点数を上げることは初めてなのでこのほうが助かります。」
僕はこの日からホーム薬局に正式出向し、業務改善をすることになった。
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