エロゲの世界だろうと、俺は俺の道を笑いながら突っ走る。そしたら、ヒロイン達が俺を走って追いかけて来たんだけど!?
あくはに@ 『孫ダン』執筆中
第1話 エロゲの世界に転生...
「知らない天井だ...」
そう言って俺はガバッと飛び起きて言う。
「ああ 落ち着いてください
焦ることはありません
あなたにお話があります いいですか?
どうか 落ち着いて
あなたはずっと昏睡(コーマ)状態だった
ええ ええ わかってます
どれくらいの長さか?
あなたが眠っていたのは……
9年です」
ベッドに横になり、心臓あたりをおさえて苦しむ振りをする。
(心音が速くなり、苦痛を訴える)
また、飛び起きて叫ぶ。
「まずい!」
また、ベッドに横になり叫ぶ。
「νοσοκόμα! νοσοκόμα! νοσοκόμα!」
そして、また飛び起き叫ぶ。
「看護師(ナース)!
大丈夫
大丈夫
落ち着いて
落ち着いて
そう
大丈夫です
大丈夫です
そうです
休んで……」
...よし!状況は理解した。
「転生したみたいだな」
特に前世に思い残すものなんて無い。...いや、一つだけあったわ。
「転生するにしても、推しが引退してからにしてくれよぉぉぉぉぉぉぉん!!!」
色々考えつつ、一度洗面台に行って、自身の顔を確認する。
「ふむふむ、なるほど。大体、14~16歳程度かな?顔は悪くないけどなぁ。如何せん、体が薄っぺらいなぁ...鍛え直さないとなぁ...って、この体では、鍛えるの初めてか」
その後も、自身の体の具合を確認してから、スマホで個人情報の確認をする。
分かったことをまとめると、現在朝の6時で、俺の名前は「
家族構成は、実母に義父と義妹で、俺の4人らしい。
ここで、皆様に重大なお知らせです。
「どうやら、この世界はエロゲの世界のようです!!」
義妹の名前は「宮内
ちなみに、紬だがツインテールのツンデレなスレンダー美少女だ。
思わず、サ〇ヤ人の王子が踊っていたビンゴの歌を踊ってしまったよ...
ここが、エロゲの世界だと断定する理由はね。
推しが配信でしていたエロゲのヒロインの1人と名前が一緒、容姿も一緒。
さらに、主人公が通っている学校の名前さえも一緒なんだから、認めるしかないよね。
てか、紬に義兄なんていたのな。
俺の推しは、基本ノベルゲーは隠しルートも含め、1回の配信で全エンド回収するタイプだが、紬はどのルートでも義兄がいるなんて言っていなかったよな?
まぁ、設定資料集を読んだ訳でもないから、全ては分からんけどね。
「何してるの?」
背後から声をかけられたので振り返る。
「いや、寝起きで混乱してたから状況整理してた」
そこに居たのは、紬だったが動揺なんかする訳もなく、スラスラと嘘を吐く。
「まぁ、いいや。そこ通りたいから退いてくれる?」
「あいよ」
ふーん、俺に対して余り良い感情は持っていないらしい。隠しているみたいだけど、バレバレだかんね。
「ねぇ、なんか変わった?」
「ん?」
あぁー。確かに、紬達が知っている俺は、こんな感じだよな?
「あっ、ごめん...少し寝ぼけてたみたい...」
記憶の中の俺を模倣する。
素の俺を出すのは、ある程度、周りの環境を理解した後だな。
「あっそ」
俺への興味を失ったみたいだな。
さて、俺も自室に戻って、色々交友関係やらなんやらを洗いますかね。
そんで、筋トレやランニングも始めよう。
あっ、ちなみにだが、母さんと義父さんは海外に仕事で行っているらしいよ。
テンプレだね!!
それから数時間、俺はスマホを使って情報を集めた。
その結果。この世界は、前世と余り変わらない感じだと分かった。
そして、俺と紬の高校進学を機に母さんと義父さんが再婚した。
そして、義父と紬の所に引っ越したため、俺の人間関係は、0からに等しい。
俺としては、とてもありがたい。
さて、近場のジムの場所も分かったし筋トレしに行くか。
運動着に着替えるなどの準備をする。てか、服持ってなさすぎじゃね?
それに、髪も長いしよぉ。長くても整えられてるなら分かるが、手入れされていないとか終わりじゃん。
「ジム行く前に、散髪屋で短くするか」
美容室も考えたが、今回は短くするだけだから1000円カットで十分だと判断した。
ワックスやヘアジェルで、髪型は好きにいじれるしな。
紬に、一応「出かける」と声をかけてから、目的地に向かった。
そして、17時頃に帰ってきたが、すぐに玄関に倒れ込む。
「ヤッバ、この体、貧弱過ぎる」
一体、どんだけ運動してなかったんだよ!全身が悲鳴を上げてる。
「えっ...」
紬の声が聞こえたので、そちらに目を向けると、驚いた顔をした紬が立っていた。
「ただいま」
息を切らしながら、挨拶をすると、恐る恐るといった様子だが、一応「おかえり」と返してくれた。
「...何があったの?」
俺の尋常じゃない様子を見て、少しは心配してくれているようだ。普通に嬉しい。
「いやね、髪を切りに行った後に、ジムで体を動かしてきた」
今度はとても驚いた顔をしている。
まぁ、前までの俺なら絶対そんなことしないしな。
「...なんで?」
ん?紬もそれが分かっているから不思議なのか。
「ただの心境の変化だよ。特に深い理由は無いかな」
実際は、心境の変化なんて生易しいものでは無いけどね。
「なるほどね」
紬は、少し、釈然としないようだが納得はしてくれた。
そして、紬がリビングに行こうとした所で足を止めて、振り返って、少し照れ臭そうにしながら言う。
「あ、私的には、そっちの方の喋り方の方がいいと思うよ」
紬がデレた!!
ん?...あっ!ヤベッ!!
疲れ過ぎてて、喋り方にまで気を回せていなかったなぁ。
まぁ、紬からは好印象みたいなのでバレたことは良しとしよう。
「さて、先ずは風呂にでも入りますかね」
そう言って、体を起こそうとするが、力も入らないし、激痛も走り倒れ込んでしまう。
その時に、大きな音が鳴ったからか、紬が心配そうな表情を浮かべながら、慌てて戻って来る。
「ちょっと、大丈夫なの?」
それを見て、「あぁ、ゲームの中の紬と一緒だ」と思った。
紬は、何もしない人には嫌悪感を抱くが、頑張っている人や頑張ろうとする人の想いや努力を絶対に馬鹿にせず応援する心優しい少女だ。
だから、俺の行動を見て、俺が本気で変わろうとしていると感じたから、こうやって心配してくれるのだろう。
そして、紬をなるべく心配させないように笑いながら答える。
「大丈夫、大丈夫!力が入らんくて上手く立てなかっただけだから」
しっかり立ち上がって、サムズアップ。
「いや、そんな子鹿みたいに足をプルプルさせてるのに大丈夫なわけないでしょ!!ほら、お風呂まで肩貸してあげるから」
紬が近付いて来て、俺を支えてくれる。
...本当に優しいなぁ。
いや、今はそれどころじゃない!
「いやいや!汗臭いし、紬に汗が付いちゃうじゃん!」
すると、紬が怒ったような表情になる。
「そんな事はどうでもいいでしょ!それより、1人でお風呂に入れる?入れないようなら手伝うけど?」
...まさか!ここは、エロゲの世界だ!!
つまり...そういう事か!?
...って!
「いやいや、年頃の男女が一緒にお風呂入るとかダメやろ!」
俺の言葉に顔を赤くしつつ、紬が叫ぶ。
「腰にタオル巻けばいいじゃない!それに、一緒に入るんじゃなくて、私は服のまま入って、アンタの髪とか洗ったりするだけだから!」
結局、紬に押し切られてお風呂に入ることになった。
「...男の人の体なんて初めて見た...貧弱って言ってたから、てっきり、ガリガリだと思っていたけど...思ってたよりもガッシリしているよね?...これが、男と女の違いかしら?」
なんて、顔を赤くした紬が、お風呂で呟いていたらしいが、シャワーの音で翔弥には聞こえていなかったそうだ。
特にエッッッ!なイベントは起こらなかったそうです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あとがき
今世での翔弥の体は、普通の男子高校生より、少し細い程度の体格です。
ちなみに翔弥は、前世ではいわゆる細マッチョで体脂肪率も5パーセント以下でした。
なので、翔弥の基準がおかしいだけです。
追記
翔弥の前世での趣味はトライアスロンです。
エロゲの世界だろうと、俺は俺の道を笑いながら突っ走る。そしたら、ヒロイン達が俺を走って追いかけて来たんだけど!? あくはに@ 『孫ダン』執筆中 @Akhn496
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