第5話

大学の費用なんて、奨学金をもらっているにせよ苦しいもので…。



学費を払うためには少しでもお金が必要だし、自分の生活費が浮くならそれに越したことはない。



それほどに切羽詰まっていたあたしは、あやしいとは思ったけれど美味しい求人に飛びついて面接をしたいと電話をかけていたのだ。



指定された19時に住所のところまで行き、



住宅街からも街中からも離れた、どこか不気味な洋館へと足を踏み入れた。



それを後々、後悔することになるなんて知らずにだ。



そして面接官はひとりの美麗なようで仄暗さを漂わせている男。



黒髪なんて目元も耳も全て覆っていて、今時流行らない和服をだらしなく着こなし、

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