第15話
友人との素顔での時間くらい、何言ったって二人だけの秘密でお願いしたい。
「今度は舞台共演ですよね。脚本読みました?俺、非現実あんまり得意じゃないんですよね〜。」
その頃の仕事の話題はもっぱらこれだった。
恨みを抱きすぎて鬼と化した男と、元より鬼として生まれた女が人間のふりをして住まう村で恋仲になるというなんともありきたりなファンタジー設定。
面白いところと言えば、鬼と化した怨念の塊の男が本物の鬼の女に黒い感情をぶつける中で、心を開いていくような王道ではないところ。
むしろ黒い感情で鬼の女を脅し、罵り、助けられた恩を最後まで仇で返すのだが、
それらを女の鬼がにこやかに諌め、力でねじ伏せ、黒い感情を自分にだけ向けさせていくのだ。
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