第14話

「そういうナツこそ爽やかイケメンで売れてる割に、私服はモノクロばかりでシンプルじゃないっすか。」


「爽やか爽やか言われてもねえ〜。笑っときゃどうにかなる世の中チョロすぎ〜って感じです。」


「君は世の中を舐めすぎっすね。それで成功してるってことも恐ろしいっすけど。」



天性の人たらしなんだろうと思わざる終えない、彼のたまに口走る本音を嫌悪することはなかった。



むしろこの業界、イメージで成り立つ職業の人間がみんなそのイメージ通りとは限らない。



わずかなプライベートで発散し、悪態を吐くくらい許してほしいというものだ。



スキャンダルは御免被るが、こちらも生きた個人という人間なのだから。

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