第2話:焼き肉デート。
私は、クスッと笑っただけでなにも言わなかった。
でも、彼の私の対する気持ちは妹って存在によって明らかにされた。
人の運命って時には人によって左右されたりするもんだよね。
誠さんの妹、
になったみたい。
次の日、彼はひとりでまた、たこ焼きを買いに来た・・・え?二日も続けて?
って思ったの。
そしたらたこ焼きを買いに来たんじゃなかった。
彼は店の前で、うろうろして落ち着かない様子だったから、こっちから声を
かけた。
「あの、お店の前でうろうろされたら他のお客さんにご迷惑だから中に入って」
私がそう言ったもんだから、彼は申し訳なさそうにお店の中に入って来て空いてた
席に座った。
「ご注文は?」
「君・・・」
「は?」
「だから昨日、妹が口走っちゃったこと・・・君のこと好きだって言ったことに
ついて・・・」
「ああ・・・あのことね」
「今日の注文は、タコ星人じゃなくて・・・君、咲耶ちゃん・・・」
「私?・・・」
「あの、ちょっと店の奥に来て欲しいんだけど・・・」
「忙しいんだけど・・・」
「いいから・・・ちょっとだけ・・・今言っとかないと決心が鈍るから・・・」
昨日の
るのか、だいたい分かっていた。
「あのさ、僕、高校時代からずっと咲耶ちゃんのことが好きだったんだ、それで
もし・・・もし今付き合ってる人がいないなら僕と付き合って欲しいんだけど」
「どうかなって思って・・・ああああ・・・言っちゃったよ」
「あ、へ、返事は今すぐにじゃなくていいから」
「咲耶ちゃん、店があるから昼間は無理かもしれないけど・・・」
「できたら僕と晩ご飯とか・・・用事がなかったらだけど一緒に食べに行かない?
かな・・・」
私にはダメ元で言ったように聞こえた。
「いつ?今晩?」
「今晩でもいいし・・・咲耶ちゃんがいいって思う日でもいいし」
「そう・・・じゃ今晩でいい?」
「うん」
彼は狐に抓まれたような顔をしていた・・・あまりにあっさり私がいい返事を
したからなんだと思う。
すなわち私は「
「あ、そ、それじゃ〜咲耶ちゃん、なにか食べたいものある?」
「焼き肉!!」
「え?焼き肉?あ〜フランス料理とかイタリアンじゃないんだ・・・焼き肉ね」
焼き肉は意外な答えだったみたい・・・でも女の子は焼き肉大好きなんだよ。
で、たこ焼き屋が店じまいした頃、彼が私を迎えに来た。
でも彼にはおまけが付いていた・・・妹の
彼はでかした妹にもご褒美と思ったんだね。
ふたりだけのデートとはいなかなったけど、私は誠さんとふたりっきりより
そのほうがワンクッションあっていいと思った。
高校時代からそんなにも私のことを思っててくれてたんなら、もっと早く
気持ち伝えてれば楽だったのに・・・。
私がそのこともっと早くに知ってたら、こんなに告白するのに長くはかからな
かったのにね。
でもよかった・・・お互い恋人がまだいなくて・・・思えばこれって相思相愛
ってことなのかな?・・・高校時だから続いてたってことだから。
まあ、誠さんは
焼き肉を食べながら彼は変なことを言った。
「僕が咲耶ちゃんに告白するきかっけを作るために妹は生まれてきたんだよな
きっとそうだよ」
「なに言ってるの・・・ヘタレなお兄ちゃんを持つと妹が苦労するのよ」
私はウーロン茶を吹き出しそうになった。
つづく。
咲耶さんの何気なくない日常。 猫野 尻尾 @amanotenshi
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