#2「互いの説明」A

 岩の怪物に倒した僕は、装備をくれた女性に付いていった。女性は車に乗るように僕に言った。その場から出発した。車に乗るという事はそれなりに距離があるということなのだろうか?

 すると看板に能野町という看板が出てきた。僕が住んでいる別等町の隣にある町だ。すると車は人の寄り付かなさそうな廃小屋の前で止まった。


「到着したわ。降りてちょうだい。」


「廃小屋だ...」


 そして廃小屋の中にある木箱をどかし、地下へと続く階段があった。


「どう?驚いた?」


「いや...そうでしょうねとしか...」


「えっ!?」


「いや、そうでしょうよ!じゃなかったら、あなたみたいな金髪な見た目の人が、こんな廃小屋になんか来るわけないでしょう!」


「金髪は関係なくない...?」


 そういうと女性は落ち込みながら、僕を地下へと案内した。扉を女性はカードキーを使って開くと、広い一室になっていた。複数の机に、僕には理解が難しそうな発明品が机に並んでいたり、床に置かれたりしていた。


「まるで地下シェルターですね...あれ?その二つのドアは?」


「あぁ、風呂とトイレよ。」


 そうゆう所はちゃんとしてたたんだ。良かった...と思っているとトイレのドアから水洗音が聞こえ、ドアが開く音がした。すると小顔で凛々しく整った美少年が出てきた。


「あっ、母さんお帰り。もしかしてこの人が?」


「えぇ、この紙の持ち主よ。」


「えぇと、この子は?」


「私の息子よ。」


「初めまして。分部 拳也わけべけんやです。」


「初めまして、武響由人です。」


 そして僕は博士の机で対面して話をする。


「では改めて、ようこそ分部開発室へ。私はここの室長の分部彩絵花さえかよ。よろしく。」


「えっ?じゃあ分部博士って事ですか?」


「あっ、呼び方は自由でいいよ。」


「じゃあ、彩絵花さん...ここって、自宅ですか?」


「えっと、まぁそうなるのかな?」


「ってことは拳也君はこんな狭い部屋でずっと暮らしてるんですか?...可哀想じゃない?」


「いや、ずっとここに住んでいるわけではないのだけれど...」


「由人さんでしたっけ?大丈夫ですよ。僕はここで暮らす事には、苦痛だと思った事はありませんから。」


「まぁ、本人がそう言ってるなら...」


「私も聞きたい事はあるけど、君にはそれよりも聞く事があるんじゃないかな〜?」


 そうだ。あの紙をなぜ持っているのかを聞くんだった。


「何故?あの紙を?」


「あ〜それはね、私が拾ったからよ。」


「拾ったって...あの公園で?あんな短時間で?」


「そう。カテラスに対抗した戦士を制作するのに、アイテムを完成させたのはいいけど、どんな戦士にするかは中々アイディアが出なかった私は、たまたま気分転換であの万部町の公園に訪れていたの。そしたらその紙があったの。」


「えっ?それで、何で僕の物だって分かったんですか?」


「だって、この紙について聞こうと思ったのに、声を掛けたら、あなた聞く耳持たずに行っちゃったんだもの。」


 え〜!?ってことは僕は達成感と満足感に浸って、声掛けられたことに気づかなかったって事!?紙を見られるよりそっちの方がものすごく恥ずかしいんだけど〜!?いくら何でも間抜けすぎでしょ!?嫌になってくるんだけど!?


「それにしても、分野事に複数の戦士ね?よく考えたわね?」


「そ、そうですか?」


「私は物を作るのは得意だけど、こうゆうのを考えた事なくて...」


「ヒーロー番組とか見ないんですか?」


「あんまり...」


「そうなんですか...じゃあなんで作ろうと?」


「拳也に言われて...」


「僕もそう言ったのはいいけど、なかなか考えられなくて...言うほどヒーローに詳しくないし...」


「...そう」


「共有機能というのは何?」


「それは、ほかの分野の能力とか道具を一つぐらいは他の人にも使えたらいいんじゃないかなと思って。」


「それだったら、他の戦士から借りればよくない?」


「その戦士だって、常に戦いの場にいるとは限らないじゃないですか。負傷したりとかして。」


「そうかもしれないわね。」


 それに、複数が全員が出てくるのも良くない。それも負傷したりしたらその分野の物が使えないからだ。一人が全員使えればいいかもしれないが、一人だと敵が複数人出てきたら対応出来ないだろう。


「じゃあこちらからも聞くけど、あれを装着して戦ってみてどうだった?」


「そうですね。強いですし、なにより僕、運動は得意ではないんですけど、あの姿になったら、体が軽く感じました!」


「そっか...良し、じゃあこの戦士の名前はアリツウエッパーに決めた!」


「あ、ありつ?何ですか?それは?」


「Action Let's Try.略してALT's!運動が得意じゃなくても、あれだけ動けたから!」


「そ、そうですか...」


「そのスマホの名前もアリツフォンにしよう!」


「そう…」


「あと、これはもう戦士じゃなくて、超戦士と呼んでもいいんじゃないかしら!」


「それは好きにしてください...」


 なんか急に調子に乗っちゃって可愛い所あるなこの人。これだったら文幸君が苦痛を感じないのも分かる気がする...かもしれない。

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