本性
あれから1週間。
ナオの誕生日がきた。
あずさにはまだ頭の整理が出来ていない。
あの日見た光景が何度も夢に出てくる。
あの目…
恐ろしくて、悲しそうで、愛おしい
どうして、こんなに好きなんだろう
どうして、あの日突き放せなかったんだろう
今からでも別れた方が良いに決まってる
別れよう
そう思う度にあの目がフラッシュバックする
孤独
悲しい
虚しい
辛い
あの目が忘れられない
あずさは、ネットカフェに行った。
パソコンでドラッグのこと、酔って暴れてしまうことなどを調べた。
調べても、調べても
何の解決にもならない
出てくる言葉は
カウンセリング
入院
逃げろ
あずさの欲しい言葉はこの中にひとつもない。
あんなに辛そうで、寂しそうな人から逃げるなんて出来なかった。
あずさはナオへプレゼントを用意した。
ナオの好きなブランドのペアアクセサリー
ケーキも買った
手料理も作ってみようかな?
なんて、思っていたらナオからメッセージが届いた。
〈友達と飲んでくるね!〉
あずさは心配と怒りが込み上げてきた
この前みたいに暴れたりしないよね?
友達って、ドラッグと関係ない?
不安な気持ちが抑えきれずに、ナオに電話した
あずさ「ねぇ、今日ナオの誕生日じゃん!私も一緒に行っちゃダメ?」
ナオ「あー…わかった。後で店の場所教えるわ」
ナオから店の場所の地図が送られてきた。
プレゼントを持って急いで向かった。
ナオの友達はナオの昔話や地元のことなど、いろんな話をしてくれた。
ナオの様子も落ち着いていて、楽しく誕生日を祝うことが出来た。
深夜にナオと一緒に帰った。
あずさ「ケーキ買ってあったんだ!一緒に食べない?」
ナオ「お前さ、何がしたいの?」
あずさ「え?」
ナオ「今日、ずっと俺のこと見張るみたいに側にいただろ。気分悪いよ。」
あずさ「ごめん。心配で…」
ナオ「余計なお世話なんだよ!」
ナオがテレビに向かってリモコンを投げた。
リモコンが割れて床に落ちた。
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