絶望の入口
あずさと連絡がとれなくなった黒服がヒロトの家に来た。
なぜここにいるのか
どうすれば良いのか
あずさは判断出来なくなっていた
黒服は鍵を開けてあずさを連れ出した。
タクシーで繁華街へ向かった。
あずさが働いていた風俗店の裏のビルに連れて行かれた。
どうやら、事務所のようだった。
ソファに座り、缶コーヒーを渡された。
あずさ「あの、鍵どうやって?」
黒服「知らない方が良いと思うよ」
黒服は優しく言った
優しい口調なのに、目の奥は笑っていない
そう感じた時、背筋がひやりとした。
黒服「あずさちゃん、あんな男は捨てて俺のところにおいで」
あずさ「どういう意味ですか?」
黒服「あずさちゃんさ、風俗の仕事を本気でやってみる気はない?」
本気で…
今まで本気で何かに打ち込んだことのないあずさにはピンとこなかった
黒服「大丈夫。全部言う通りにして」
そう言われて、ぼんやりと思った
今までヒロトに依存してたんだ
自分で考えることをやめて
今、黒服さんを頼るのは私の判断?
それとも新しい依存先を見つけただけ?
わからない。
でも、今はこれしかない気がした。
それから、黒服の言う通り新しい部屋を借りて新しいケータイにして見た目をギャルっぽくした。
ヒロトはあずさの実家に何度も来たようだった
母親が対応していたが、しつこく何度も来るので父親が一度怒鳴りつけると、その後あずさの私物を届けてからは来なくなったという
あずさはどうでも良くなっていた
ヒロトのことは好きだった
暴力を振るわれても、監禁されても
好きだった
初めて本気で好きになった人だった
だけど、今は黒服がいる
まだ恋心なのか、依存なのかわからないけど
19歳になったばかりであずさは店の売れっ子風俗嬢になった
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