第19話 歪み切った愛情

凛が彼女になってから、2週間ほど経ったころだろうか。

鬼気迫る表情で泊まりたいと母に懇願していた。

もちろんOKを出したのだが、当然寝るスペースなどない。


2人っきりのベッドルーム、ふと凛の顔を見る。


夜の静けさの中、凛の目に痛みのような決意が宿っていた。


「私には、これしか…」彼女の声は震えていた。服のボタンを一つずつ外し始める。


僕は優しく、しかし断固として手を止めた。「凛」


「でも、私は…」


「自分の体を大事にして欲しい」と僕は言った。


凛の目に涙がにじんだ。罪と歪められた自己愛が、彼女の心を蝕んでいた。


僕は彼女を抱きしめた。「君のままで良いんだ」


外の月は、静かに二人を見つめていた。

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