第16話 受諾

突然の告白。


私の脳裏で、理解できない音が鳴り響く。まるでCPUがパンクしたかのように、思考が真っ白になる。


「付き合って」


響の言葉が、何度も反芻される。


さっきまでの虚ろな感覚から、激しい感情の波が押し寄せる。罪悪感。戸惑い。そして、ある種の安堵。


なぜ私に?

なぜ今?

断っていいはずなのに。


でも、私の口から零れ出たのは—


「は、はい」


軽いうなずき。


断れない。いや、断りたくない。今、響という存在以外、私には何も見えなかった。


これは救いなのか。それとも、新たな罠なのか。


ただ、この瞬間だけは、私は現実から逃れられるような気がした。

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