第2話 うさぎのスノーウィー


自然の豊かな、水のせせらぎに澄んだ空気の森の中、うさぎのスノーウィーは いました。


季節は冬。しんしんと降り積もった雪原の森林に、

とってもとってもわくわくするのは、スノーウィーが 雪うさぎ だから。

そう、スノーウィーの産まれた季節は寒い寒い冬の季節、よく晴れた日なのです。

雪の降る季節に、冷たい空気が 澄んでいておいしい事、晴れの日は 上着を着てちょうど良い事、林檎を置いていても腐らない、雪ウサギですから 何だって知っています。


「あぁ。とてもわくわくするぞ。」



待ちきれないと、土の小さなほら穴から出てきた銀色のウサギは、思いきり 自慢の足でジャンプしました。



ぴょん、ぴょん、高くジャンプすると、青い空に、まっさらな雪原にはスノーウィーの足跡が。



寒い季節に降り積もる、辺り一面の雪景色に

心高ぶる雪ウサギは、おひさまの輝く澄んだ空気に 逢いたい友達がいるのです。


だいの仲良し、寒さに苦手なキツネです。

きっと、まだ眠くて ひとりすやすやと眠っている筈です。



彼の家は、スノーウィーが地面をぴょんぴょん跳び跳ねて カエルが池を一週する 程度のところにあります。

さぁ、そうこうしているうちに キツネの家までたどり着きました。

ウサギの足は 飛んで跳ねると 速いのです。



「んんっ、あー。あー。」


タンタンタンタンタン。



「やぁ。ぼくだよスノーウィー。出ておいでよ雪が積もってる、」



後ろ足でドアをノックすると、耳を傾けます。

どうやら ぐっすり夢の中のようです。

寒さに弱いキツネと 雪の積もる森林を歩くのは

どれだけ景色がよくても 相手はまだ夢の中。



こうなったらぼくが夢に出るしかないな。

スノーウィーは、キツネの菜園からニンジンを2本、それを朝ごはんにしつつ、

さて、どのように夢に出てやろうかな。と思考をするのでした。



青空に 雪原の澄んだ空気を、スノーウィーは、雪ウサギなので よく知っています。

キツネが晴れた日にも 冬の寒さを 暗いベッドで夢を見て過ごす、



なんだか雪ウサギは、キツネの見る夢を 知りたくてたまりません。


ああ。君と見たい寒い季節に、いつだって君を遠くに感じるよ。



キツネは 何を見ているの。

僕とは 見るものが違うの。



雪ウサギですから 雪の降る季節、上着を着れば寒くなくて、空気が 澄んでいておいしかったり、林檎を置いていても腐らない事 だって、

雪の降る 季節の事は 何だって、何だって知っているのに、どうしても キツネの見る夢を 知ることがありません。



寒い季節に長い耳でキツネの寝息を聴いていると、

自慢の耳で聴きたいものは 寒さにもへっちゃらな おおらかに目を細めるキツネの声だと、



暗いベッドに すやすや眠る 彼と背を向けながら思うのでした。

         



           end snowy/





◆ 雪ウサギ の スノーウィーは、寒さの苦手な キツネ の 見る夢を とっても 気になる様子です。


さて 次の お話しは、夢のように 不思議な

虹 の お話しですよ。

さぁ、ページを捲ってみましょう。





 



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