第6話

母が死んだあの日

村の長である丈助殿の奥方も

共に亡くなっていた。


幼馴染のように育った

娘の楓殿は1年余りの間

家から出ることなく塞ぎ込んでしまっていた





1年程経って出てきた楓殿は

だいぶ雰囲気が変わっていて

妖に対する嫌悪感を誰よりも出していた





そんな楓殿や村の若者たちを

集めて作った若衆組で

日々剣術を磨き続け

共に妖と戦ってきた。









17になり村の中では

刀で誰にも負けることはなくなり

私がここを守るのだと

息巻いていた時、

あいつに出会った……





白夜。

















これ程までに美しい妖を

一度も見たことがない

 


大体は異形。


しかし、力の強い妖ほど

見目が美しいと聞いたこともある





妖には変わりない…


刀を抜き若衆

皆で取り囲むなり斬りかかるが

誰一人、一太刀もかすることなどなく

弄ばれるかのように

軽く相手にされるだけだった






「なんだ貴様らは…

弱いくせにいい度胸だな。

殺されたくなければさっさと失せろ」


相手をするのに飽きたのか

それだけ言って

サッと消えてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る