第4話   最初の敵、超強敵?


「これが...遭難というやつなのか...」


はたまた迷子なのか。

俺はその広大な森の中で考える。


「いや、今はそんなことどうでもいい。とりあえず森を抜けたいな。マップとかは」


俺は腕を動す。


「あ、あった。」


メニューのなかにマップや所持品が表示されていた。


「えーと、マップを見る限り...ずっと北に村があるな。...ここ始まりの森って言うのか。」


始まりの森のくせに広すぎやしませんかね。

最初に来る場所なんだからもう少し分かりやすくしてほしいところである。

そして、俺は村へ向けて歩きだす。


「よし、さっさとこの森ともおさらばしよう。」


そのときだった、俺の後ろから

『ガサッ』

と音が鳴る。


「誰だ!」


俺は内心ワクワクしながら振り返る。

だがそのときには、――――――――

―――――――――――――――――


「――――っは!あれ、意識が。え?もしかして、俺...死んだの?」


その何者かによって殺されてしまうのだった。




「さっきのはなんなんだ。」


俺はスポーン地点に座り込みながら先ほど起きたことについて考えていた。


「さっきのはプレイヤーなのか?プレイヤーキル...?リスキル?それとも強い魔物が湧いたとか?」


だが、仮にも俺は幸運が高い。だからそういうのは考えていないのだが。


「幸運についての詳細見てみるか。」


俺は腕を動かし、メニューを開く。

そこから詳細を見る。


「『幸運 この値が大きいほど、世界は自分の都合のいいように動きやすくなり、チャンスが多く降り注ぐ。』か。...チャンス、ねぇ。もしかしてさっきのもそのチャンスとかいうやつなのか?」


...じゃあ、さっきのは強い魔物?倒せたら経験値めっちゃもらえるとか、特殊武器もらえるとか。チャンスと言うくらいだ乗り越えられないものではないはずだ。...んーただなぁ、姿すら見えなかったしなぁ。しかも俺、ただでさえゲーム上手くないのに...。


「まぁ、どれだけ幸運だとしても2回も起きないでしょ。」


そうして俺がまた歩いていると、後ろから物音がした。


(あ、この感じ、さっきの奴だ)

「マジか。またかよ」


これがフラグ回収というやつか。

俺は振り返らずに走り出した。


「次はやられない!」


俺はインベントリから初期装備の『ボロボロの短剣』を取り出した。

そしてある程度走ったところで俺は振り返る。

そこには...真っ赤なバンダナを付けたゴブリンがいた!


「やっぱり最初はゴブリンだよな!」


ゴブリンはよだれをたらしながら俺めがけてすさまじい速度で突っ走ってくる。


「俺にできるかどうか怪しいけど...やれるだけのことはやろう。」


そして俺はコマンド一覧を見ながら


「『シーク』!」

と叫ぶのだった。 




―『シーク』―

それは盗賊が初めから持っている固有スキルである。

効果は『一定時間相手に見つからない』というものである。

だが、まだ俺は始めたばかりでスキルのレべルが1のままであるため、効果時間はたったの2秒しかない。

ちなみにスキルレベルというのは自身のレベルが一定の値まで上がることで一緒に上がる仕様だ。



...だが、戦闘において相手に認知されないというのは最も強い。

そのため、


「ぐぎゃあ!!!」


俺はそのゴブリンに攻撃をあてることができていた。


「クソ、さすがに一発じゃ倒せないか。」


だが、相手の体力は確実に減っている。

それと今、攻撃をあてたことでスピードも落ちている。


「その体力だと、あと2発ってとこか。」


そのゴブリンはよろめきながら立つ。


「ぐ...ぐぎゃあぁぁぁ!」

「あっぶね!」


そのゴブリンは足も負傷しているはずなのに先ほどと同じようなスピードで刺突してきた。


「なんだよそれ!俺一発でもくらったら死ぬんだけど!?なんで負傷してるのにそんな動けるんだよ!」


だが、先ほどとはうって変わり後隙が多かった。

さらには捨て身で攻撃してこようとしていた。


「なーんだ、しっかり弱ってんじゃん。」


俺はそのゴブリン、『バンダナゴブリン』に短剣を突き出し、


「お前のその武器と経験値、もらって行くわ。」


そう宣言するのだった。









▽▽▽

クラーム裏話(おまけ)


Q.なんなんですかこのコーナは。


A.本編にでてきた分かりにくいものの説明やキャラの裏話などをまとめるところです。



Q.スキルというのがいきなり出てきましたが、あれは一体?


A.えーと、みなさんの想像通りのものです。自身や仲間にバフをかけたり、相手にデバフをかけたり、魔法攻撃もスキルに含まれますね。あと、特殊な攻撃だったり、例えば剣でのみ行える『漸列連打アサルトスラッシュ』(剣で相手を切りまくるスキル)とか。まぁいっぱいありますよ。



Q.この裏話はいつやるんですか?


A.作者の気分次第です!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る