第2話 妹にはお見通し
「舞?何食べたい?」
俺はゲームをやっていてご飯のことを何も考えていなかったため、妹である舞に聞く。
「高級ステーキ」
「無理だそんなもん。」
「えーー」
「いや、わかってて言っただろ」
家の家計でそんなものが買えるわけがない。
ちなみに両親は共働きである。さらには夜遅くまで仕事をしているため、実質いないようなものと一緒である。それでも家計やばいんだよなぁ。学費は馬鹿にならないものである。
「うーーん。じゃあパスタ」
...パスタか
「わかったパスタにしよう。作るの比較的楽だしな。」
「そーだねー」
「じゃあ作ってくるから作り終わったら運んでくれよ?」
「わかってるって」
そうして俺はパスタづくりをはじめるのだった。
舞は俺の作ったパスタを食べながら言う。
「ほにいしゃんはさ」
「飲み飲んでからしゃべりなさい」
俺はお母さんか。
「お兄ちゃんはさ、彼女とかいないの?」
「ブフォァッ、ゲホゲホゲッホ」
鼻からパスタが飛び出るかと思った。
「大丈夫!!?」
「ゲホゲホ...なんだよいきなり」
「いやだってお兄ちゃんそういうのまったくないじゃん?昔はあの人がいたけど離れてからは他の女性と全く話してないみたいだし、ね?」
否定はできない。
確かに俺と接点があった女性なんてあいつしかいなかった。
「まぁそのうち作るよ」
「まともに話せないのに?」
「ぐっ、痛いところをつくな」
だが、まぁ
「いてもいなくてもなんの支障もない。だったら無理して作るようなもんでもないだろ?」
「ウーム。ニゲラレタカ。」
なぜ片言?
「なんでそう俺に彼女を作ってほしいんだ?」
「ん?だってそりゃあ、お兄ちゃんどうせ学校でぼっちだろうし、彼女いたほうが学校楽しめるんじゃないかなぁって」
「ボッチじゃない愁斗がいる」
「...あーそういえば、愁斗さんって友達多そうだよねー。あの人、人懐っこいしー」
「な、なにが言いたい」
そこで舞は目を光らせ
「結局お兄ちゃんは愁斗さん以外には友達がいない!つまり愁斗さんが他の人と話してたらほぼぼっちというこだ!!」
そう言い切った
「グワァ」
俺の鋼の心にヒビ、だと!!?
「お兄ちゃん。友達作ろうね。」
妹であるはずの舞に優しくさとされ
「...はい......」
そう言うのだった。
「新しーい朝が来た♬希望の朝ーだ♪」
今日は日曜日。いやぁ休みって時間すぎるの早いねぇ!もう日曜だよ!
昨日なんてゲームの設定やってパスタ食って妹にさとされたぐらいしかしてないよ。
「お兄ちゃん朝から元気だねぇ」
布団に寝転がりながら首を回すとなぜか舞の姿があった。
「いつからそこに?」
「昨日の夜から」
「...なんで?」
「久しぶりにお兄ちゃんと寝たくなって。なぜか私の勘がそろそろお兄ちゃんが私の物だけじゃなくなるって言ってて」
「そもそもとして俺はいつからお前の物になったんだ」
「私が生まれたときからだけど?」
「なに当たり前みたいに言ってんの?全然そんなことないからね?」
「あ、そういえば」
無視かよ
「あれなにー?」
舞は一昨日まではなかった機械を指さして言う。
「あーえっとな。あれはー」
どうにかはぐらかそうとするが良い言い訳が思い浮かばなかった。
「えーーはい気にしないでください。お願いします」
なんでこういうときに言い訳がポンとでないのか、俺自身を悔やんだ。
「へー気にしないで、かぁ。宅配が来た時にも言ってたよね?もしかしてそれ?」
「あ、あぁ。そうだが...」
色々と勘づかれてしまった。
質問攻めに合うのかなぁ。
そんなことを思ってると、
「...ふーん...。お兄ちゃんお腹すいた。ご飯」
いきなりそう言われた。
「は?え?あ、うん。わ、わかった。」
俺は困惑を隠しきれなかった。
そして舞は俺の部屋から出て行く。
「...一体なにがしたかったんだ?」
俺には全く理解できないのであった。
「さーて朝ごはんも食い終わったことだし、」
俺はそれを見ながら言う。
「始めてみますか。」
そして俺はそれを起動させ、
「よぉエンター。今日こそはクライシス・シンドロームとやらをやらせてもらうぞ」
そしてゲーム開始のアイコンを押した。
「さて、期待作。どんなものか見させてもらうぞ」
『【ゲーム】 クライシス・シンドロームを開始します』
そうアナウンスが流れた。
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