第23話:ストーカー小説かと思いました

 今日コミュニティハウスで読んだ本は「角田光代」さんのエッセイでした。

 タイトルは「今日も一日きみを見てた」というもの。

 粘着質な感じを受けて、でも表紙をみたら眠りこけている猫の写真でした。


 ぱらぱらっと読んだら、初めて猫を飼った作者の思いがエッセイの形でつづられていました。

 初対面の漫画家さんに「猫いる?」と聞かれてお酒の場で「欲しい」と言ったら本当にもらえた。

 アメリカンショートヘアーの七匹目のトトちゃん。


 とりとめもなく、思いのたけを書かれているので、たいへん楽に読めました。

 映画で猫の扱いがひどいと拒絶反応をしめし、人には薦めないというのも共感できました。

 猫は人間のなにもかもを変えるのです。


 犬が好きな人は、自分のうちの犬が好きなので、犬の写真集は興味があまりないそうで、飼うのは犬を飼っていない人。

 反対に猫が好きな人は、世界中の猫を愛するので猫の写真集は売れるそうです。


 運動神経が悪いところ(寝ていた場所から脚をばたつかせながら、背中から落ちてしまうなど)うちのスコちゃんに似ている。

 そして、猫の飼い主は飼いネコの欠点をこそ愛しているのだ、という意見。

 口が猫缶くさいとか、猫ハラしてくるとか、棚の上のものを落として壊すとかの迷惑行為を口にするとき、飼い主はそのこと自体を愛していて、のろけるのだ、と。


 角田さんに初対面で猫をあげる、と言った漫画家さんは、そのころの角田さんが、精神状態がヤバイと思って救命具を投げてくれたのだそうだ。

 目論見通り、角田さんは猫を飼うことで、心にへばりついた嫌な想いや、拗ねた気持ちから逃げ場を得た。

 猫が何かをしてくれるわけでなくとも、猫を知ることで平和的な人間になることができた、という話だった。


 まるで同感である。

 また「スコちゃんがかわいいので!」エッセイを復活させようかなあ。

 角田さんほどうまくは書けないけれど、思い出のよすがに。

 ここ最近書いていなかったのは、スコちゃんとの関係がルーチンワークばかりで、ライフワークになっているからです。


 相変わらず、神社で祈祷していただいたお札には、まず一番に「スコちゃんが長生きしますように、スコちゃんが幸せになれますように、スコちゃんを幸せにできますように」が筆頭に来る願い事。

 そのあとに「父母が老衰で死ねますように」とか「一族が繁栄しますように」とか「ステキな人と縁づきますように」とか、ほとんどが尻すぼみなお祈り。

 それでも、心が落ち着く大切な儀式だ。

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