第17話:おどろき!

 コミュニティハウスで、「変な絵」の最終章を読みました。

 話はぐるっと回って、序章の伏線が回収されていた。

 なんとこれはたった一つのお話だったのです。


 序章で扱われていた「お母さんをピーした、実は心優しく弱いものを守ろうとする少女」の絵。

 あれが、「実は母親に虐待され、飼っていた文鳥を殺されそうになったので必死で護ろうとして母親をピーした」という事情があり……それが「弱いものを守ろうとして攻撃的になっている」状態を示し、実は「守るためならばピーすることもいとわない殺人鬼」の心情を表していた。

 こわい、と思いました。


 殺人鬼はまず、母親をピーしました。

 次に夫をピーしました。

 これは内気な息子をひきずりまわす夫を憎んだからです。


 で、さらに夫の教え子が夫の死を探っていることを知り、夫と同様の手口でピーしました。

 それらの殺人は、愛する者を守るためでした。

 しかし、最後の殺人は自分のためでした。


 彼女は「母親」でありたかった。

 息子の妻が妊婦になったとき、血圧が高く逆子であることを知り、塩をカプセルに入れて常用させた。

 それにより、息子の妻はお産で脳出血を起こして死んだ。


 彼女は生まれてきた孫を、自分が「ママ」であるとして育てると宣言。

 息子は謎のブログを残して自死。

 それを追うオカルト研究生の大学生が、その謎を解き、行動に出る。


 今までのキャラクターが何かを起こそうとすると、必ずけが人がでました。

 悪い時は死んでしまった。

 だけど、ここは大団円。


「変な絵」

 お勧めです。

 ミステリーでした。

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