第23話 僕と夏帆ちゃんと清純派アイドル。
僕がリラちゃんの処女をもらい、くるみちゃんを交えてクッソ濃厚な初体験を終えたころには、すっかりお昼を過ぎていた。僕たちは八橋くんにお小言を言われながらお昼ごはんを急いで食べて、最低限の仕事をこなしていく。薬の買い出しは新発田皇子ちゃんが代わりにやってくれた。
くるみちゃんは、今夜は銀河くんたちの拠点にお泊りだ。銀河くんと長坂紫音さんと、千奈津ちゃんと遥香ちゃんの超絶パワーアップについて伝えたうえで、今後についての話し合いをするらしい。
僕もくるみちゃんに教えてもらって、銀河くんたちが市民権を買うために中層へのチャレンジをしていることを聞いている。銀河くんたちの実力なら大丈夫だとは思うけど、早めに1軍と2軍もシャッフルして、新1軍と2軍を作り上げたい。
日花里ちゃんの真価は不明なままだけど、ガード役が御子柴くんなのは少し不安がある。特に長坂紫音さんの回復魔法がないと、欠損するようなケガには対応できない。
「タクミくん、詩織ちゃんが寂しがってたよ。あとで日課をしに、買われに来るって」
拠点に帰宅した皇子ちゃんが報告してくれる。そういえば、詩織ちゃんの顔を見なかった日って、この数年間では詩織ちゃんが調剤師の資格試験を受けるために王都に行った時くらいだ。
会いに行かなかった理由が他の女の子と愛を交わしていたからって……言えないなぁ。そんなことを思っていたら、追いかけるようにして詩織ちゃんが拠点へやって来た。詩織ちゃんのところで働いている夏帆ちゃんも一緒だ。
「タクミくんが奴隷にしてくれないから、来ちゃった」
ん? そこは『会いに来てくれないから』とかでは……日課でも無いタイミングで、知的な詩織ちゃんの口から奴隷なんてワードが出てしまうと、こっちがドキドキしてしまう。
「私も来ちゃったよ、タクミっち♪ ねぇ、早く奴隷にしてほしいな」
「……あれ? 違和感がすごすぎて逆に気付かなかったけど、夏帆ちゃん、それどうしたの?」
夏帆ちゃんは、クラス転移する前の雰囲気に戻っていた。その理由は髪の毛の色だ。ギャルっぽいあの金髪に戻っている。
銀河くんや長坂紫音さん、そして加納小夜ちゃんや遥香ちゃんみたいに、魔法スキルの影響で髪の毛の色が変質してしまった人はいるけど、夏帆ちゃんに詠唱魔法以上のスキルはなかったはずだ。
「ああ、これ? そうそう、これを見せたかったんだよねー。いいっしょ、昔のギャルの私みたいで、欲情しちゃうっしょ?」
「うん、とってもよく似合ってるよ……でもそれ、どうやったの?」
その頃には、夏帆ちゃんが金髪になっていることに気付いた女子たちが群がって、羨ましそうに見つめていた。
「これね、詩織ちゃんの新作の実験台になったんだよ。でも完璧っしょ? さすがは天才少女、私らとは出来が違うよねー♪」
「えっ、これって詩織ちゃんが作ったん? すごない?」
速攻で食いついてきたのはリラちゃんだ。あぁ、そう言えばリラちゃんも転移前は茶髪にしたりとかして、くるみちゃんの地毛が明るいのを羨ましそうにしてたなぁ。
「うん、まだ試作段階で、金髪しか作ってないんだけどね」
「なぁなぁ、うちは青髪にしてみたいんやけど、できるやろか?」
「うん、できると思うよ」
詩織ちゃんの答えに、リラちゃんはとっても嬉しそうな様子を見せてガッツポーズまでしている。見ているこっちがほっこりしてしまうほどの可愛らしさだ。皇子ちゃんが夏帆ちゃんの髪の毛を触りながらうっとりしている。
「あぁ……この金髪を見てるとアリアを思い出すよ。アリアに会いたいなぁ」
「それだったら、皇子も一緒に来る?」
「えっ、良いの?」
皇子ちゃんが目を輝かせる。リラちゃんにこっそり教えてもらったけど、2人はただのご主人様とメイドではなくて、性的な関係も持っていたらしい。くるみちゃんとリラちゃんの女の子同士の余興勝負を見学していた僕の脳内で、生々しい女性同士の禁断の愛が再生されてしまう。
まぁこの夜は、向こうで皇子ちゃんと凛子ちゃんの新旧ご主人様によるアリアちゃんを巡る壮絶な愛が展開されるんだけど、今の僕はまだそれは知らない。
とりあえず僕たちはいつもの『奴隷売買』をするために僕の部屋へと移動した。
「タクミくん、私はあなたの奴隷になりたいの。金貨9,000枚で、私を買ってくれませんか?」
「良いよ。じゃあ98%割引だから、金貨180枚で買ってあげるね」
僕は詩織ちゃんを購入して、すぐに取引をキャンセルする。しかし、金貨9,000枚の値がついてもまだ底が見えないんだよね、4人とも。
日本円にしたら9億円だ。処女の相場が金貨60枚、つまり約600万円というこの世界の常識からしても、まさに桁違いである。多大な利益に貢献する詩織ちゃん、チートキャラ化している千奈津ちゃんと遥香ちゃんは分かるけど、日花里ちゃんの価値の理由は未だに分からない。
「じゃあ、次は夏帆ちゃんだね」
「うう……格差社会……タクミっち、夏帆ちゃんね、タクミっちの奴隷になりたいんだよね。どうせ金貨10枚分の価値しかないから、値引き後の値段とか言わないでよね。お釣りとか用意してないからね?」
僕は投げやりな夏帆ちゃんの態度に苦笑いしながら、奴隷として購入してあげる。そしてキャンセルして返金しようとした僕の口の動きは、夏帆ちゃんの唇によって邪魔された。
「んちゅっ、ちゅぷ……はぁっ♡ ねぇタクミっち、キャンセルはちょっち待って?」
そう言いながら、夏帆ちゃんは手早く服を脱いで全裸になっていく。
「せっかくだから、奴隷といけないことしようよ♡ 奴隷の身体をお使いくださいませ、ご主人様♡ 金髪ギャルの夏帆ちゃんは即即可能なビッチに仕上がってるから、今すぐ使ってくれても大丈夫だから♡」
「あ、私のことは気にしないでね。養父母のことがあるからタクミくんにすぐに処女はあげられないけど、私も興味あるから……夏帆ちゃんの身体、とってもきれい。私みたいな貧相な身体とは、えっちさが全然違うよ」
詩織ちゃんは自分の胸のところをすかすかと触って、夏帆ちゃんの身体を羨ましがっている。うん、そこは触れないでおこう。
「いや、夏帆ちゃんだってBカップだから、クラスの中では最弱クラスだし。アリアちゃんの超絶ロケットを、10cmで良いから分けて欲しいよ……」
そんなことを言いながら、夏帆ちゃんは娼婦として培ってきた技術を駆使して、あっという間に僕を押し倒して準備万端にしている。
「リラちゃんとくるみちゃんとたくさんして、夜は遥香ちゃんのロストバージンなんでしょ? ぜいたく言わないから、夏帆ちゃんも可愛がって、スッキリしちゃって?」
「大丈夫だよ、夏帆ちゃん。私が作った精力回復薬の効果はかなり大きいから、夏帆ちゃんと愛しあっても、遥香ちゃんの初体験には支障ないと思うよ。それにほら、ここにも持ってきてるし。何十本飲んでも副作用はないから、安心してね」
詩織ちゃんはポケットから小瓶を一つ取り出す。ちなみにこの薬は銀貨1枚……つまり日本円にして1万円程度と非常に高額なんだけど、飛ぶように売れているらしい。
観念した僕はもらった小瓶の中身を飲み干して、気力体力のゲージはあっという間に振り切れる。そして僕の武器は、凶器のように硬くなる。
「あっ、嬉しい……夏帆ちゃんを気に入ってくれてこんなに勃起してくれてるんだよね♡ じゃあ時間もないから、即即ご奉仕しちゃうね♡ 金髪ビッチ娼婦を、たっくさん食べちゃってね♡」
そして僕は夏帆ちゃんを愛し始めた。左の耳たぶを優しく触ってあげつつ、右の耳元に向けてささやく。
「ねぇ夏帆ちゃん……そんなに僕の奴隷になりたいの?」
「……っ!?♡ うん……はい、なりますぅ♡ 夏帆ちゃんはもう、タクミっちの奴隷だもん♡」
あれ、僕ってなんでこんなことを聞いてるんだ? 夏帆ちゃんもうっとりとした表情で肯定してるし。
僕はリラちゃんが『これから先はなぁ、タクミくんの女になる覚悟を決めた人だけが奴隷売買をした方がえぇんと思うんよ』と喋っていたことを思い出していた。
もしかして、奴隷売買を繰り返すことで、僕たちの立場は固定されてきてしまっているんじゃないだろうか……?
いや、でもそれなら数年間にわたって僕と奴隷売買をしている詩織ちゃんは、もっと以前から奴隷っぽくなっても良いはずだ。うーん、分からない。分からないけど、とりあえずスッキリしよう。
そしていろいろと楽しんで拠点の入口に迎えに出た僕たちが目の当たりにしたのは、上機嫌の新3軍のメンバーにくっついてきた、とっても渋い表情のカナレさんだった。
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