余白とは

真っ白なキャンバスを持っていた

好きな色で染めてみてと

沢山の絵の具を与えられた


夢中で色を重ねた

情熱の赤色

不安の黒色

喜びの黄色

幸せの桃色


どれだけ重ねても、埋められない余白

色がのらないその場所とじっと見つめ合う


どんな絵の具でもどんな筆をつかっても

その余白は埋まらなかった


そしてある時

その余白が自分自身だと気が付いた

どんな色にも塗りつぶせない部分

完成されない自分自身の輪郭


余白は消すべき欠陥ではない

自由の果てになお残る余白は

僕の存在証明であり、人間の自由の限界である


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