第88話


俺はヒロの背後から覆いかぶさると、こいつの背後から胸元に手を回した。



そしてシャツのボタンを外すと、ヒロはちょっと首をよじってバタバタと暴れた。



「何するんだ!変態!!」



俺はあっさりとヒロの両腕を拘束して、背中の後ろで捻り上げる。



「いってぇ!」



「何をするかって?愚問だな。それを今聞くか??それに俺様は日々お前より100倍以上も凶暴な凶悪犯を追い掛け回してる」



ちなみに俺は柔道と空手の有段者で黒帯だ。ヒロなんてチョロいぜ。



俺はヒロのシャツを途中まで剥いで、むき出しになった肩にチュッと口付けを落とした。



ヒロの肩がびくりと震え、俺の下で急に大人しくなったかと思いきや、



前触れもなく、しくしくと泣き出した。



「周。腕、痛い……」



ズキン!



俺は可愛いヒロに泣かれると、とことん弱い。



どうしていいのか分からずにヒロの手首に込めた力を和らげると、



「隙あり!」ヒロは俺の体から抜け出して、ついでに俺の腹に強烈な蹴りを入れていった。



ベッドから飛び降りると、ヒロはあかんべをして、



「へっ!!ざまあみろ!そういつもいっつも同じ手を喰らうかよ」ちょっと勝ち誇ったように笑っている。



前言撤回……



泣きまねかよ。可愛いけど…可愛くねぇ。



俺は蹴られた腹を押さえながら、立ち上がり、






「ほぉ。俺様に蹴りを入れるとはいい度胸だな。少しは手加減してやろうかと思ったが、やめた。



今日はとことんまでお前を苛めて…いや、可愛がってやる」






引きつりながらも笑みを浮かべると、ヒロは顔を青くして後ずさった。



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