第83話



――――


――



ヒロの生活のリズムはほとんどと言って毎日一定。数分たりとも狂わない。



例えばシャワーのあと、会社に行くスーツに着替えてコーヒーを飲みながら新聞を読むタイミングとか、



そのときのコーヒーを飲みきる時間とか。



俺は刑事なんてやってるから生活も不規則だし、そのリズムも常に安定していない。



普通の勤め人だから…とかじゃなく、ヒロはこうゆうきっちりしたヤツなんだろうな。



ま、そーゆうところも好きだったりするけど♪



って言うか会社なんて辞めて、この家に居ればいいじゃないか。ヒロ一人だったら充分養っていけるほど俺は稼いでいるっていうのに。



しかしヒロはそれを頑なに断った。



「俺はお前と対等で居たい」



なんて律儀って言うかくそ真面目なヤツ。だけど嫌いじゃないぜ?そーゆう考え♪



残り1分で通常ならコーヒーを飲み終えるが、今日に限ってヒロはその手を止めた。



何で時間が分かるかって??それは毎日計っているから♪



俺の最近の趣味はもっぱらヒロの日常観察だ。日記をつけたらつまらないだろうが、俺には分かりやすくていい。



「そう言えばさぁこないだ合コン誘われちゃって」



なんてヒロがさらりと言い出したので、俺は目を開いた。



「はぁ?合コンだとぅ!?お前、それどーしたんだよ」



俺がちょっと睨むと、ヒロは渋面を浮かべて、



「断ったに決まってるだろ?」と当たり前のように言った。



そうだよな~、お前は俺の嫁だもんな♪



なんて考えてると、



「だって女の子って色々気を遣うし。こう言ったら傷つくかな、って考えちゃうし、



その点お前は楽」



とコーヒーカップを持ったままにこにこ。



あのぅ…それはどーゆう意味で??




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