第52話


「周―――!!」



バタンっと扉を開けて慌しく周のマンションに飛び込むと、



周は寝室に篭って…テーブルの上でなにやら作業中だった。



メガネをかけ、手には……電気ドリル…?



周は振り返らずに、



「まぁ待て。今取り込み中なんだ」



そう言ってヒツジのぬいぐるみを手にする。



あの……取り込み中って一体何してるンすか?



それ…俺に似てる(?)って言うヒツジですよね。



「話なら後で聞く。リビングで待ってろ」



そう言って周は電気ドリルの電源を入れた。にやりと妖しくヒツジに笑いかけ、その電機ドリルを近づけていく。



ドゥルルルル…



ホントに何やってんだよ…



知りたいけど、知るのが怖い。



俺は大人しく扉を閉めて、言われた通りリビングのソファに腰を降ろした。



しばらく寝室の方を見て様子を伺っていたが、中から



ドッカン、ドッカン



カンカン



ギコギコギコ……




カナヅチやらノコギリの音が聞こえてきて、俺は額を覆った。







俺……あいつのことを好きだと言ったけど、早まった??



あいつの行動…ホント意味不明。




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