第9話
ああ…神様……28年間これといった悪事も働いてこなかった俺に、なんて酷い罰を……
女にフられた上、その日のうちに男とベッドイン??
「ありえねぇっつの!」
そう怒鳴ってガバっと起き上がるも、脳天を貫くかのような酷い腰の痛みに俺は腰を折って呻いた。
げ、現実だ……
紛れもなくこれは現実。
しかもヤった方じゃなくてヤられた方!?
急に目の前が暗くなった気がしたのは単なる二日酔いのせいじゃないだろう。
わなわなと手を震わせていると、
「ぷっ」と吹き出す声が聞こえてきた。
「すっげぇ百面相。やっぱお前おもしれぇな」といつの間にか半身を起き上がらせていた男が、マットレスに腕をついてにやりと笑みを浮かべていた。
俺は思わず男を睨んだ。
「ちょっとあんた……!」俺が声を低めて怒鳴ると(大声出すと腰にくる)
男は心外そうにちょっとだけ眉を吊り上げて、
「“あんた”じゃなくて、周。円周率の周」と俺の鼻を弾いた。
その例え方変だって……とツッコミたかったけれど、ツッコめない。
「お前おもしれぇな。話もツッコミ甲斐があったけど、こっちも突っ込み甲斐があったぜ♪」
なんてにやにや笑いながら言って、男は俺の腰をぽんと軽く叩いた。
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