第5話
――――
――
割れるような頭痛を感じて、俺は重い瞼をこじ開けた。
「……ってぇ」
頭が重い。まるで枕の中に沈んでいくようだ。
唸るように小さくもらして額に手を当てて、違和感を感じた。
ここは―――どこだ………?
俺の狭いアパートじゃない。
天井は高く、白い。眩しいぐらいにきれいだった。
目だけをちょっと動かして辺りを見ると、見慣れない高級そうな家具や調度品が目に入って、俺は慌てた。
マジでどこだよ……?
布団をめくって重い体を起こそうとして、俺は気づいた。
服―――着てない……
―――は!?
状況が理解できなくて、俺は広いベッドに視線を戻すと隣には誰かが眠っていた。
ように見える。
ふわふわの羽毛布団に人のふくらみがあったし、その布団がもぞもぞと動いて、
「………ん~?」と小さな男の唸り声が聞こえた。
―――!!
昔から、アルコールには強い自信があった。
それでも若いときはときどき溺れるほど飲んで、目覚めたら知らない女のベッドだったってことはたまにあった。
もちろん比奈と付き合う以前の話だ。
どうやら俺は酔うと開放的になるらしい。
だけど、目覚めると男のベッドだった―――ってのは始めてだ。
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