第133話 水族館 ホノカとゼル
王様ゲームは大変盛り上がった。
しかし結局リディは王様になる事無く…エリザの「3番は私といっぱい遊ぶ!」の命令によって二人仲良く地下室巡りをしている。
そしてゼルとホノカはゼルの「3番は王様と美味しいお酒を探してくる!」の命令によって2人でガブガブと様々な酒を飲んでいる。
ホノカって酒弱いんじゃなかった?
そして残されたシロと僕も散歩に出かけたのだった。
「ショウ、水族館に行こう、イルカと遊ぶ」
「お!久しぶりだね、行こう行こう」
前にシロと泳いで遊んだっけな。なんか結構昔の事のように思えてくるね。
「ショウ、イルカの名前はなに?」
「ん?イルカだよ?」
「2頭いるのに?」
確かに…名前が無いのも可哀想か。
「シロがつけてあげてよ。なんか可愛い感じの」
「うーん、じゃあこっちがカイでそっちがビビ」
僕には同じに見えるんだけどシロには違って見えるのか?
名前を付けてもらった2頭はキュイキュイと喜んでいるみたいだ。
「私はこの時の為に水中呼吸の魔法を覚えた、一緒に泳ぐ!」
流石大魔道!エルナにでも教わったの?
シロは水着を選んでくる!とナイトプールに走っていった。僕も着替えるか、僕はポイント交換でいつでも出せるし。
水中呼吸ができるとなると…この水族館ってアップデートで全部繋がったから一周できちゃうな…サメとかもいるけどまあ僕硬いし。
僕はひと足先にビビとカイに捕まって泳いでシロを待った。なんか結構時間かかってるな。
「ショウ!お待たせ!私も泳ぐ!」
服の下に水着を着てきたようで目の前でスルスルと服を脱いでいくシロ…水着だと分かっていても…なんか欲情って感じ!
シロは選んできた水着は白のビキニ、胸元のリボンがとても可愛い!
「可愛いね!よく似合ってるよ!」
「今日は見過ぎても良い、特別」
そう笑うシロはとても嬉しそうだった。
「じゃあカイとビビに掴まって水族館回ろうよ、魔法よろしく!大魔道さん!」
「任せて!ブレスオブマーレ!」
「おお!さすが大魔道!じゃあ行こうか!水中散歩!」
「うん!行こう!カイ!ビビ!」
【ホノカとゼル】
「初めて飲み過ぎで気持ち悪くなったよ!!すごいんだねお酒って!」
「ゼルはお酒弱いの?そしてなんでそんなに嬉しそうなの?」
「こんなに気持ち悪くなったのは初めてなんだよね!いやぁもうこの世の終わりだね!」
「確かに飲みすぎたわね…私も少し気持ち悪いかも…」
ゼルとホノカは美味しいお酒を探すはずが早々にリバース手前まで酔っ払っていた。
ゼルは魔王の姿なら酒豪だがどうやらこの姿はあまり酒には強くないようだ。
「ヒールのお風呂に入ろうよ!ショウもそうやってお酒抜いていたよね!」
「そうね、まずお酒を抜いて…ちょっと散歩でもしない…?その…2人で…」
「良いね!僕もまだこの地下室を全部見ていないんだよ!じゃあお風呂行こうか!どうする?一緒に入るかい?」
「え!?いや…うーん…別々よ!お酒が抜けたらすぐに出ましょう!」
「そうだね!じゃあ後でね!」
ゼルと別れたホノカは風呂に浸かり独り言を呟く。
「私に花だって!剣聖とか脳筋とか言われて女扱いされない私に綺麗なお花!しかも格好いいし優しいし…恋人とかいるのかな…聞いても良いかな…」
勇者スキルが発動してから調子に乗った私はショウに負けるまで色々と酷い事をした…。今でも少し怖がってくる人もいるし…。
私なんかに魅力あるのかな…。
酒が抜けて冷静になったホノカは珍しく脳みそを使って考える、一人の乙女だった。
「やあ!少し時間がかかったみたいだね!僕は一瞬で気持ち悪く無くなったよ!すごいねあのお風呂!」
ゼルは先に出てコーラを飲んでいた。少しだけ酒の怖さが分かったようだ。
「私もバッチリよ!あのね…水族館に行きたいの!」
「水族館?行ったことないや!良いね!楽しみだ!」
そして水族館に入るとゼルはとても楽しそうにはしゃいでいる。
「すごいね!こんなにたくさんの魚!こんなに綺麗な場所なんだね!感動だよ!」
「ゼルってなんでいつもそんなに楽しそうなの?」
ホノカは気になっていた事を聞いてみた。
ホノカから見てもゼルのテンションは高い、まるで今まで楽しい事が無かったような…そんな感じに見える。
「うーん、僕が今いる環境って少し特殊でね。閉鎖的というか…うーん…まあ色々複雑なのさ!」
「そうなんだ、じゃあ恋人とかもいないの?」
「いないね!僕もショウと同じ童貞ってやつだよ!」
「へ、へぇ…そうなんだ。じゃあデートとかもないの?」
「そうだね!これが初めてのデートだよ!」
「へ?デートなのこれって?」
「男と女が二人でどこかに行くんだよね?デートって。まさにこれじゃないのかな?」
「そ、そうね!デートよ!行きましょう!お互い初めてのデート!」
「ホノカも初めてなのかい?じゃあ行こうか!楽しみだね!」
「う、うん!あの…デートって手を繋ぐって…決まりがあるみたい…なんだけど…」
「そうなのかい?それは初耳だね!じゃあ手を繋いで行こうか!」
「は、はい!宜しくお願いします!」
そうして二人は手を繋いで歩き出す。そんな様子を水中から眺めるショウとシロ。
「ねぇ、なんか手を繋いで歩き出したよ?」
「あんなホノカ初めて、すごく幸せそう」
「何か楽しそうに喋ってるね、何を喋ってるんだろう」
「ホノカの事は後で聞く!ショウ!向こうに秘密の場所があるってカイが言ってる!」
大魔道のシロさんはイルカと会話までできるのか…。
しかし魔王と勇者だよなぁ…。
なんかホノカは急に惚れた感じだけどゼルってどうなんだろ?なんか彼女作りたいです!って感じしないんだよね。
まあ良いか、今はそれぞれの時間を楽しもう!
そういえばエリザとリディって今何やってるんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます