第55話 イルカショー シロ 野次馬

ルナとエルナがいる時は基本的に焼肉だ。それ以外だと満足出来ないだろう。


流石に飽きると思いソースを大量に追加。

赤ワインベースだったりニンニクベース、醤油ベースや玉ねぎベースの物だ。


「このニンニクの美味いのう!どんどん食えるわい」


「私は赤ワインと胡椒のヤツがヤバいツボだわぁ!」

一応味わっていたんだな…ペース早すぎてほとんど飲み込んでるのかと最近思ってたよ。


ルナ用、エルナ用の鉄板は肉がどっさり焼かれている。まあ好きに食ってくれ、どうやら七聖竜の幸せポイントは段違いらしく、もう2000ポイント近く貯まっている。


しばらく忘れていたけど攻撃スキルのフルバーストをアクティベートしておくか、アップデートはするなって言われたけどアクティベートは良いだろ。


大砲はアップデートしすぎたからね、あれは強すぎて周りを巻き込みかねない。

500ポイントを使ってアクティベートしておいた。後で試し撃ちしよう。


トコヨとホノカはエアホッケーをしにいくらしい、トコヨから誘ったみたい。

良い勝負できると思ったのかな?ホノカ容赦ないからディスク吹っ飛びそうだけど…


シロも食べ終わっていたので水族館に誘ってみた。

きっと気にいると思うんだよね。


「綺麗!ショウ!見て!あの魚すごい見てくる!」

目をキラキラさせて水槽を眺めるシロ。子供のようにはしゃいで楽しそうだ。


マンボウなんていたっけ?なんかたまに見た事ない魚いるんだけど…もしかして入れ替わってる?


「もっと色々見たい!ショウ!こっち!」

手を引かれて奥に歩き出す、手を繋いで!デートみたい!


「ショウ!トコヨがいる!色違い!」

なんか違うらしいよ?頑なに自分は竜って言うんだあのカメ。


「サメ?少し怖い顔してる…でも可愛いかも…」

エルナは喧嘩売ってたよ。僕はかっこよくて好きだけどね、サメ。


そして二人で並んで座り、今まで誰も触れなかったイルカショーを見ているのだが…


「おお!あんな高くまで届くのか!」

「すごい…動物にしては知能が高い!」

なんか人間より脳みそ大きいらしいですよ?


キュイキュイと鳴いて何かを言いたそうなイルカ、なんだ?トコヨ呼んできたら分かる?


「一緒に泳いでも良いらしい、なんとなく分かる」

ほんと?僕が空気読めないだけ?


イルカはキュイキュイと首を縦に振っている、どうやら当たりらしい。


「一緒に泳ぎたい!でも水着ない…」

お?水着ならあるよ!


「水着なら出せるよ!泳ぐか!どうせ僕達しかいないし貸し切りだ!」

シロには白の水着、サイズは…この前サキュバスの服着た時に見たからな…これくらいか…。

シロは奥に行って着替えるらしい、僕もささっと着替えるか。


イルカに餌を投げているとシロが戻ってきた。

「サイズはピッタリだった、少し恥ずかしい…似合う?」


「すごい可愛い!天使みたいだ!!」

本当に似合っている、白い肌に白い水着、サキュバスの時もそうだけど基本厚着のシロが脱ぐとなんかこう…すごい良いんだ!

サイズもピッタリだったか!僕の目も養われている!


「えへへ、嬉しい、イルカと泳ぐ!」

えへへとか言うのも可愛い!なにこの子可愛い!

なんか変なテンションになる!


僕もプールに飛び込みイルカの背びれに捕まって泳ぐ。

これはトコヨターボとはまた違う面白さがある。

なんというか、現実的な速さだ!


シロは背中に跨ってキャッキャと笑っている。大魔道も普通の女の子だからね。

それからしばらくイルカと戯れて遊んだ。

イルカとボール遊びとかイルカショーの係の人しか出来ないんじゃないの?超楽しいよこれ。


そして30分ほど遊んだ後…


「意外に疲れたな…」

「なかなかに体力を使う…」

トコヨみたいに水圧を無くしてくれるワケではないので普通に疲れた。


とりあえず着替えるか…勿体無い気もするが…

シロは奥で着替えて戻ってくる。いつものシロだ。

サキュバスの服も似合ってたなぁ…また着てくれないかな…。


それからのんびりと水族館を一周し、最初の大水槽まで戻ってきた。


そこに腰掛けて少し休む。


「シロって魔王倒したらどうするの?というか勇者パーティって魔王倒す為にいるんだよね?」

少し気になっていたのでこの機会に聞いてみる。


「倒したら…考えた事もない。魔王を倒すのが勇者だけど正直魔族とまともに戦った事がない。」

え?ないの?僕が倒しちゃったから?


「依頼はA級冒険者のものとほとんど変わらない。私は魔族がなにかしたという依頼を受けたことがない。」


「前にルナが言ってたんだけどさ、魔族も悪い人ばかりじゃ無いらしいんだ、人間も良い人ばかりじゃないように。だから一度魔王領に行ってみても良いって言われたよ。」


「正直私もそう思う、しかし私はともかくホノカは魔王と戦う事がスキルで決まっている。魔王も同じはず。」


「スキルで決まる?因縁の対決みたいな?」


「そう、勇者スキルと魔王スキルは戦う運命、そう決まっているらしい。」

考えたのあの女神?いや、その上司か?


「それって殺し合わなくてもオセロとかでも良いんじゃないの?勝敗付けばいいんでしょ?」


シロは目を丸くしてこっちを見ている。

流石にバカすぎたか。


「そう、確かにそう!戦うとしかスキルに記載がない、勝負ならなんでも良い!殺し合う必要ない!」

おお、固定観念ってやつが壊れた音がする。


「ショウはやっぱりすごい」

シロの方がすごいけどね。その歳で大魔道だろ?どんだけ勉強したんだ。


「魔王との戦いが終わったらショウの地下室で旅をする、色んな所に行く」


「そうだな、それも楽しそうだ。色んな所に遊びに行こうか。」

ふわっと返事をしたつもりだったのだが…


「本当!約束!絶対行く!」

身を乗り出して目をキラキラさせるシロ、軽はずみだったか?いやでも僕の本心だ。きっと楽しい旅になるさ。


「僕も楽しみにしておくよ、魔王か…いったいどんな人なんだろうなぁ」


そんな時ノンデリの声が後ろから響いた。

「あー!ショウとシロがイチャイチャしてるー!」

空気読め勇者!ケーキでも食ってこい!

「おやおや、仲がよいのう、シロ先生とショウは」


「お邪魔しちゃった感じ?まだ脱いでないしセーフっぽい?」


「やめるでありんす、若い男女なんだからそのくらいするでありんす。」

おいおいやめろよ…シロの顔真っ赤じゃないか…

あと意外にデリカシーねぇなエルナ。


「ショウとは話してただけ!まだ脱いでない!!」

もう少ししたら脱ぐ気だったの!?くそう野次馬め!今度から鍵かけてやる!!


やいやいとうるさいメンバーが集まり、結局みんなで大水槽で泳いだ。

釣り堀でも泳げるのかな?でもサメとかいるしなあそこ…


明日はギルドに行って緊急の依頼がなかったら少し休もう。腹に穴あいたの結構痛かったし休みたいんだよね。

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