第51話 七聖竜の三人

汚染された村を救った帰り道、エルナは地下室で行きたいと言うのでのんびり帰還中。


「このファジーネーブルって酒ヤベェ美味くね?もういくらでも飲んじゃうし!」

飲み物もチャラチャラしてんなぁ…別にカクテルが悪いとかじゃないけど。


見た目黒髪の清楚な美少女がヤベェとか言いながら酒飲んでんの本当に処理が追いつかない、せめて金髪にでもすれば納得いくのに。


しかしトコヨはギルドにいるけどルナはもう山に帰ったからしばらく来ないと思う。

まあ会えないなら会えないで自分で山まで行っておくれ。


そうこうしてるとギルドに着いた。報告かぁ、エルナも行くよなぁ…

悩んでいても仕方がない、僕はギルドの扉を開く。


「帰りましたよー」

受付に行く前にユキさんとノアちゃんが飛んできた。


「ショウさん!お帰りなさい!あのコップのピンクは私にですよね!?」

なんの話?コップ?


「おかえりっす!行きがけに置いていったプレゼントっす!ピンクは私っすよね!!」

あぁ、タンブラーね、そういや四色あったな。


ピンク、水色、黄緑、青だな。いやピンクは断然…

「僕が決めるならピンクはマロンさんですね…そして水色はユキさん、黄緑はノアちゃん、ギルド長が青かな。」


言われて見ると確かに…という顔する二人、それはそう、あの人なんかピンクだし。

どうしょうもない争いはふわっと解決した。もしかしてずっと言い合ってたの?


「あれ、後ろの綺麗な人は誰っすか?」

「また女の子連れてきたんですか!?」

そういえば男の人連れて来た事ないや、今度シン君でも連れてきてみよう。僕にだって男友達いるよ!ゴウケツさんとか!


「ウチはエルナヴィス!エルナでいいよぉー」

エルナは笑顔で挨拶する。軽いのよこの人。


「初めまして、ギルド受付のユキです。」

「同じくノアっす!宜しくっす!ショウさんとはどんな関係なんすか!?」

いや、そういう振りは止めてよ、ろくでもない事なるから。


「関係?そうだなぁー、マブダチだな!」

ギリギリ!良いぞエルナ!ズッ友万歳!


「エルナヴィスの声が聞こえるでありんすー」

そしてナイスだトコヨ!いい具合にに入ってきたな!


「お!マジでいんじゃん!ウケるんですけど!元気してるぅー?」


「わっちはいつも元気でありんす、ルナティアも元気でありんすよ、他の四人は分からないでありんす」

そういや七人いるんだよな、そのうち会いそうだけどね。


「あの、エルナさんってもしかして…」

ユキさん、多分当たってますよ。


「天海竜エルナヴィスでーす!七聖竜だよ♪ウケるっしょ?」


「なんでショウさんってこんな伝説級の人連れてくるんすか?結構異常っすよ…」

君達が僕に頼む依頼のせいでしょ?トラブルメイカーみたいに言わないで?


「ルナティアー、エルナヴィスが来てるでありんすよー」

急にルナを呼ぶトコヨ、どうしたの急に。


「お、エルナヴィスではないか、久しいのう」

数秒後にギルドのドアが開きルナが入ってきた。


「ちょっとトコヨ、何したんだ?好きな時に呼べるの?」


「この前波長を合わせたでありんす、しばらくは声が届くでありんす。」

波長?なんだ急にそれっぽい事言って。


「妾達くらいの竜になると声の波長を相手に合わせるとどこにいても聞こえるのじゃ、ただしばらくすると波長は変わるからの、永遠にという訳ではないのじゃよ。」

急に便利なもん持ってるな、僕も欲しいよそれ。


「いや超久しぶりじゃーん!相変わらず妾とかわっちとか言ってんのウケるんですけど!2人もショウの知り合いなんだ!」


「良いじゃろ別に…妾とか言っても…逆に伝説の竜がウケるとか言ってる方が異質じゃろうに…」


「わっちはわっちでありんす!言及しないで欲しいでありんす!」

トコヨはたまに普通に喋っちゃうからね。


「ショウのユニークスキルやばいよねぇ!水族館?とかいう魚がいっぱいいる綺麗な所でデートしたんだよね!めちゃ楽しかったよー!」

は?急に何言ってるの?デート?感覚的に喋らないで、せっかくいい具合に話流れたのに。


「は?デートですか?疫病の調査に行ったのでは?」

ユキさん!は?って言うのやめて!本気っぽいから!いや…本気か?


「疫病の原因はショウがサクッと解決したんだよね!その後ウチの子供と友達と一緒に水族館行ったワケ!子供は子供達同士、ウチとショウは大人同士楽しんだって事っしょ?」

事っしょ?じゃねぇよ、女の子なら今の空気読みなよ!


「子持ち!?ショウさん人妻に手を出して…」


「いや待って下さい!手を出した話は出てないです!水族館回っただけですよ!」


「エルナヴィスの子供は分身体でありんす、なので子作りしたワケではないでありんす」


「妾達はそう簡単に子作りせんのじゃ、妾の子供も分身体じゃ、本気で子作りしてしまうとどえらいドラゴンが産まれる可能性があるからな。」

そうなの?複雑な子作り事情。勉強になるな。


「ショウさん!私も水族館?行きたいです!」

「私も行きたいっす!!魚見たいっす!」

「私もご一緒したいわねぇ、興味あるわぁ」

マロンさん?今きた所ですか?


「わっちも行くでありんす!」

「妾は食事じゃな、肉が食いたいぞ」

「じゃあみんなでショウの地下室行けば良くね?ショウもそれで良いっしょ?」


まあいいっしょ…

ギルドの三人はギルド長から仕事があるから今度にしろと言われ今回は諦めたようだ。


「ショウさん!変な事しちゃダメですよ!」

出来ないよ!相手竜だよ?


「まあ安心して下さい…水族館一緒に行くの楽しみにしてますね」


「そ、そういう事なら…私も楽しみです…約束ですよ。」


「いやぁそう言う事?ユキちゃん頑張ってねぇ、ライバル多そうだからね♪」

エルナ…頑張るのは僕の方かも…


顔を赤くしたユキさんに手を振り、三人の竜と共に地下室に降りる、もう慣れたけどこの人達伝説級のドラゴンなんだよな…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る