第27話 王族 メイド 麻雀

「ルールは大体把握したと思うのでやってみましょうか」

点数計算は台がやってくれるみたいです。

こんな機能初めてみたけど便利すぎる。


ジャラジャラと麻雀牌が混ざり、卓上にセットされていく。

「どんな仕組みなのかしら…自動でこんな…」

ぶっちゃけ知りません、なんかボタン押すとこうなります。


親はレイさん、不慣れな手つきで牌を入れ替えていく、まあ最初だしよく分からないだろう。

終盤に差し掛かり流れるかと思ったが突如ロンの声。


「それです、ご確認を」

レイさん…しっかり上がりですね、ココさんからの直撃だ。点数は1500点だけだがココさんは悔しそうだ。


「もうすこしだったのに…残念ですわ…」

そう言って牌を倒すと清一色…何面待ち?

同じ種類を集めていただけらしいがビギナーズラックにしては出来すぎている。


ちょっと油断ならないかも知れない。

2局目、3局目と続き、結局僕が勝った。


「これは難しいですね、相手の手の内を読みながら自分の手配も揃えるとは…」

レイさんはなんとなく理解したようだ。


「もう!いつもギリギリで振り込んでしまいますわ!」

ココさんは大きい手を狙いがち、ちなみに未だ上がれた事はない。


「私は二位になりました!お母様にロンしました!ロンって!」

無邪気に煽るハンナちゃん、お母様めっちゃ悔しそうだよ?


「まだ始まったばかりですわ!ちょっとお酒を取ってきます!そしたらすぐ始めましょう!」

ツマミにサラミも出した事もあり、お酒も進んでいるようだ。

レイさんもピーチウーロンをジョッキで飲み始めている。

バーテンダーが見たら絶望しそうな飲み方だ。


そして始まった二戦目。

「ついに来ました!ツモですわ!!」

おっと、ココさんのツモは凄そうだな。

ツモ、清一色、一気通貫、ドラ3?親の三倍満?でっけぇ…

12000点オールか、今回はココさんの勝ちかな?


「お母様すごいです!こんな点数にもなるんですね!」

「奥様、流石です。」

「この流れでどんどん行くわよ!」


次局

「奥様、それロンです。リーチ、タンヤオ、平和、ドラドラ、8000点です。

「やるじゃない…まあまだ私が勝ってますわ!」


次局

「お母様!それロンです!タンピンドラドラ、裏が乗って跳満!親なので18000点です!」

タンピンとか言っちゃうの?もう雀荘とか行ってもいいんじゃない?もう点数計算自分でしてるし。


「ちょっとなんなのよぉー!」

お母様は結局振り込み続け親の三倍満をあがっても最下位になった。

絶対に自分の手を崩さないからなぁ…


勝負は続いていき、ココさんがこんな事を言い出した。

「何か賭けない?そっちの方が盛り上がると思いますの。」

「奥様、ボロボロに負けているのに良くそんな提案できますね…」

「お母様は引くことを知らないですね」

ボロカス言うじゃん…主人と母親だよね?


「何か賭けた方が本気になれますわ!お遊びは終いよ!」

いや麻雀はお遊びなんですよ?


「まあ奥様がそう言うなら…それで何を賭けるんですか?」

「それは…レイが勝ったら二週間のおやすみを差し上げます!ハンナが勝ったら欲しい物を一つ買ってあげます!私が勝ったらショウ様とこの地下室で旅行に行ってきます!」

ちょっと待って?ココさんの旦那王様でしょ?僕と旅行とか行ったら指名手配とかされない?


「2週間の休暇ですか…今でも週に二日の休みですがそれほどの長期休暇は魅力的ですね…私もショウ様の地下室で旅行したいですし」

レイさん!?とりあえずお酒置いて!


「欲しい物買ってくれるの!?じゃあ露天風呂作って貰う!」

露天風呂も隠す壁の建設費も税金でしょ!?国民泣くよ!?


「じゃあ決まりね!さぁ始めましょう!」

始まってしまった…レイさんはともかくとしてココさんが勝つのは絶対に避けないと、色々なものが飛びそうだよ。


「ツモですわ!4000オール!」

うわ、まじで賭けた瞬間に強くなったよ…

「また来ました!ツモ!4000オールは4100オール!」

「まだまだ行きます!ツモ!2000オールは2200オール!」

「止まりません!ツモ!6000オールは6300オール!


止まらないココさんの快進撃…誰か終止符を…


「ロン!お母様!流石に止めさせて頂きます!白のみ!2200点!」

四本場で止まったか…ナイスだハンナちゃん。


「流れが良かっただけに残念ですわ…まあもう勝ったようなものですけどね。2200点なんて安いものよ」

確かにそうだが…でもあのままツモの連打されたんじゃたまったもんじゃ無い。


親は流れてレイさん。


「私にも流れが来ると良いのですが…」

そう言って始まった運命の時。

僕の手牌はわずか2巡で大変な事になっている。


国士無双の白待ち。

なんだこれ結構麻雀やってるけど国士無双なんて初めてだ。もう勝負とかどうでもいいから上がりたい!


しかしツモだと親のレイさんが飛んでしまうからココさんが勝ってしまう。

絶対にココさんからの直撃を取るしかない…


別にレイさんかハンナちゃんが上がってもいいけどココさんの点数をどうにか削らないと結局は…


「うーん、私このシンプルな牌はあまり好きじゃありませんわ」

そう言って場に出された白!!

出た!直撃もらった!!


「「「ロン!!」」」


ん?なんか声が三つ聞こえなかった?

「奥様、国士無双、48000点です。」

「お母様、国士無双、32000点です」

「あの、ココさん?国士無双、32000点です…」


トリプル?トリロンなんて初めて見た!

あれだけあったココさんの点数は一気にマイナスになりあっけなく王の妃は飛んでいった。


「ちょっとなによそれぇ!あんなに調子良かったですのに!」

そら叫びたくもなるわ…僕でも叫びそう。


ん?という事は?

親のレイさんが勝ちか…


「そういう事なのでショウ様、二週間の間宜しくお願い致します。」


え?本当に?


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