第17話「事件」

第十七話「事件」


 ヨシワラに戻り、俺たちは、剣を強化するためのアイテムを手に入れようとしていた。


「郊外にあるって?」


 レンダが言った。


「らしいな。どこらへんにあるか、NPCにでも聞いてみるか」

「そうだな。そのほうがいいだろうな」


 晴彦の提案により、NPCに尋ねることになった。


「ああ。剣の強化か……それならオークの備品かもな……」

「オークの備品? オークって割と弱いよな。それが強くなるのか?」

「なる。あれは、強いモンスターの落とし物っていう設定なんだ」

「なるほどなあ……」


 オークの棲む谷に向かった。


「ここで……どう探せと?」

「オークの王が持ってるんじゃないかっていう話だ」

「王は確か、ボスレベルじゃないか?」

「そうかもな。それを倒すと――」

「まあ、行ってみよう。戦わなくても、いいかもしれないしな」


 そして、オークの姿がちらほらと出てきたところで、倒しながら、奥へと進んでいった。


「アバラルクレドウア」

「何て言ってるんだ?」

「わからん」

「とにかく、平和な言葉じゃないよな……」

「倒すぜ!!」


 オークを倒しまくり、最後の部屋に差し掛かった。

 その時――。


「また会ったな……お前たちはどうしてここに来た?」

「お前……!」

 それは、人型のモンスターだった。

 あの――アレックスと名乗るやつだった。


「アレックス……」

「武器の強化に、オークの備品が必要なんだ」

「そんなものはない」

「は?」

「俺が食ってしまった」

「てめえ……。俺たちを妨害したいのか!!」

「三百層で待っている」

「あ、おい! 待て!!」


 人型モンスターは、去っていった。


「あいつが食った? どうする……」

「とにかく、行って見てみよう」


 そっと、扉を開ける……。そこに、無残にも食い散らかされたオークの死骸があった。


「ひでえ……」

「臭いがすごいな……」

「これなんじゃないか?」

「それは……鉱石か?」

「あいつ、食ったとか言ってなかったか?」

「嘘の化身。それがやつだ」

「え?」


 レンダが言った。


「嘘の化身?」

「ああ。上で聞いたことがある。ダンジョンの奥に嘘の化身がいると。それが世界の根幹だと」

「根幹? どういうことだ?」

「わからねえ。とにかく、あいつは嘘をつく。だから、アレックスかどうかもわからないってわけだ」

「なるほど。そういうことか」


 あいつは一体……。第三百層のボスではない可能性もあるってわけだ。


「とにかく、上の街へ戻ろう」

「ああ」


 それから、武器を強化し、新たなボスを倒そうと、ドラゴンのいたボス部屋に行くが……。


「何だ、あれ」


あとがき


どうも。今回は、また第三百層のボスらしきモンスターが再登場しましたね。


あいつは一体何者なのか?


段々と、紐解かれていくでしょう!


それではまた明日。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る