第16話「人間ではない」

第十六話「人間ではない」


「グガアア!!」


 ドラゴンが扉から出てきた。


 ――のように思ったが、ドラゴンは身を引いていった。


「オラ!! こっちへ来いよ!!」


 そう誘うと、ドラゴンは顔を出した。


「よし。人にはならない。お前はモンスターだ!! それ以外のものではない!!」


 グギギギ!! グチッ!! ビャアアア!!


 顔を縦に斬りつけた。


 ドラゴンは叫びながら、倒れた。何だか、流れで倒しちゃったな……。

 一応、確かめるために、ドラゴンの死体を外に出した。

 しかし、魔法のように、人間に姿が変わるのかと思ったが、そんなことはなかった。


「はあ。よかったあ……」


 俺は安堵して、倒れた。

 気づけば、アルムニウムの宿屋にいた。


「あれ? 俺……」

「あ! 起きた! もー。びっくりしたんですから。ドラゴンと相討ちになったのかと思っちゃいました! もう!!」

「ごめん。ちょっと確かめることができた」

「え?」

「あの人型のモンスターはこう言っていた。ボスがボス部屋から出るには、人間の姿でないといけないと」

「そ、それで?」

「死体も、生きたドラゴンも、人間には変わらなかった」

「じゃあ、人=モンスターでも、モンスター=人でもないってわけですね?」

「ああ。そうだ」

「それは、よかった……。私、そのことで、仲間の空気がぎすぎすしてた気がしてたんです」

「ふっ。なるほど。俺もそう思っていた。レンダ。大丈夫だ」

「まったく。とにかくよかった。お前が死んだら、俺らは終わりだからな。一生ウォーレンとかにいるかもな」

「それか、ボムトス」

「それか……キリがないな」


 はははと笑った。


「よし。今日はドラゴン肉を食べる。人間じゃないみたいだからな!!」

「うまいのか? それ」

「知らねえよ。NPCが、うまいって言ってた」

「どう考えても魚くさそうだけど……」

「いや、牛肉並みにうまいらしい」

「ほー」


 そして、ドラゴン肉は赤く輝いていた。

 じう、じう、と両面を焼き、塩コショウで味付けをする。


 ぱく。

 じゅわああ。


「うまっ! 何これ?!」

「貴重だそうだ」

「そりゃ、そうだろ。ボスなんだから」

「まだまだ一ヶ月くらいはもつそうだ」

「そ、そんなには、いらないかな!!」

「俺も……ばくばく」


 そして、次の街には行かなかった。


 ただ、このアルムニウムの街で、剣を強化しようということになった。


「ヨシワラの街の郊外のアイテムが必要らしい」

「じゃあ、戻るってわけか?」

「そうだ」

「まあ、行ってもいっか」


あとがき


どうも。


今回で、はっきりしましたね。モンスター=人ではないという回です。


じゃあ、あの人型モンスターは何で嘘をついたのか。

そこをまたいつか掘り下げたいと思います。


誤字が多くてすみません。

また順に直していきます。


また明日もよろしくお願いします!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る