第14話「新たな街。そして」
第十四話「新たな街。そして」
俺たちは、新たな街へのフロアマップ形成をし、美優たちを導いた。
「新しい街――アルムニウム」
「どうやら、アルミニウムが発展を見せている街だそうだ」
「どうして、ミがムになっているんですか?」
「それは、そうだね。何でだろうね」
ボスを倒したほうがいいのか。それを考えている……。
たぶん、レンダも晴彦も、その他二人も考えている……。
もちろん、俺も。
「そういえば、あのボスって言ってた子は下の層へ遊びに行きましたね」
「そうか。どう思う?」
「どう――とは」
「あの子は本当に、この層のボスだった説は、考えられるか?」
「い、いや、うーん。でも、ボスに今まで人の感じはなかったじゃないですか」
「モンスターは実は人だった……とか」
シーンと暗い雰囲気になってしまった。
そんな時――。
「それは違うな」
あの子が来ていた。
肉を頬張りながら、喋っていた。
「え? 君はどうしてそう思うんだい?」
「人に変わることができるだけで、人じゃないぞ」
「でも、君は、本当にボスなのか? この層の」
「それは違いない。我はボスだったが、なぜか人間体になれた。そういう部類だ。モンスターの元は、人間じゃない。人間に変えられるだけで」
「な、なるほど。君はたまたま人だった――だけ」
「そういうことやな! もぐもぐ」
みんな、納得はいってないみたいだった。
「ボスと交流はあるのか?」
レンダが聞いた。
「ボスと交流? ないない。我は来た冒険者を倒すだけだ。そこにお前らが来た。だから、殺すまで――」
「第三百層のボスがどういうものか、わかるか?」
「わかるぞ。人だ。あいつも。言ってることは信じないほうがいい」
「え?」
「あいつは嘘をつく。そういうモンスターだ。ロードなんちゃらってのも嘘だ」
「ロードじゃないのか?」
「そうだぞ」
バクバクと肉を食べていた。
「じゃあ、今後ボスやモンスターを倒しても、何も倫理的に問題はないというわけか」
「……そうだな。好きにするがいい。バクバク」
はあ……。とにかく、安心というか、ほっとした。
もし、俺たちが殺してきたのが、人間だったら――と思うと、気が気でなかった。
「それで? 我を倒すのか?」
「いや。仲間にする」
「はあ!?」
みんなびっくりしていた。
「繭村。こいつはたまたま人間になったボスだぞ?」
「人間なら殺す道理はないだろ。それに、こいつは俺たちを問答無用で殺すことはなかった」
「そうだが……」
誰も賛成はしなかったが、とりあえず、彼は俺たちに付いてくることになった。
あとがき
どうも。今回は、考えさせられる回でしたね。
人間とモンスターのはざまの存在が登場してきました。
はたして、本当のことはどうなのか?
また紐解かれていくでしょう。
では!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます