第7話「ボスに苦戦」

第七話「ボスに苦戦」


 俺はフーコのために、ボスを見てくるといい、宿屋を飛び出した。

 フーコは言うなれば、遊郭のお嬢である。

 彼女が外の世界を見たい!

 と、言った。

 外の世界とは二重の意味だ。本当のダンジョンの外と、この遊郭の外と。

 だからボスを倒せたら、出してやる。


 そう言われた。

 ゆっくり扉を開ける……。


 ギギギ……。


「グオオオ……」


 な、何だ? 何だ、あれ!

 それは、大きな口だった。口でしかなかった。


「相撲の次は、口かよ!!」


 そう叫んで剣を引き抜いた。


 カラン!


 武器が一瞬で弾かれる。

 ちくしょう!! 俺はここで死ぬわけには!

 しかし、口は襲って来なかった。


 え?


 口には目と鼻がない。当たり前の話だが。

 このボスはどうやら聴覚はあるみたいだった。


 じゃあ動かなかったから、来なかった……?


 音を出したから……?


 俺は剣をゆっくり拾ってそっとボス部屋から出た。


 ボスを倒さないでボス部屋は突破できる。

 しかし、今回は違う。

 ボスを倒せと言われているのだ。


 どうする……?


 それを宿屋に戻ってから、晴彦やアレックス、美優と話していた。


「うーん。静かに近づいて、斬る……とか?」

「カウンター攻撃はどうする?」


 俺が美優の提案をバッサリ切り落とすと、みんな黙ってしまった。


「うーん。一回私たちも偵察したいです」

「おそらく一発目がドアを開ける音で来る。次が武器で応対した音だ。つまりわざと吹っ飛んで受け身を取らないと倒せないし、カウンターで死ぬ」

「じゃあ詰みじゃないですか!」

「まあ、そうなるわな」

「フーコちゃんはどうするんですか! あんな純粋な目を潰すつもりですか!!」

「そんなことを俺に言われても……」


 どうしたらいいんだ……。

 一度、爆弾か何かで……!

 そうか!! 爆弾か!!


「爆弾だよ! 爆弾があれば、そっと近づいて、離れて押す――それでいいじゃないか!!」


 そのことに気づいてしまった。


「おいおい。爆弾はどこから手に入れるんだ?」


 晴彦が言った。


「そんなの……ないの?」

「爆弾に関する記述を見たことがある。第二百九十七層の街にあると、そこしかないと書かれている。だから、外からTNTでも持ってくればいいが、俺たちがいるのは何層だ?」

「二百九十八……」

「つまりボスを倒さないと、いけないってわけだ」

「いや……倒さなくていいかもしれない」

「は?」

「あのボスは音で反応する」

「だから?」

「うまくいけば、攻撃されずに二百九十七層へ! いけるかもしれない!」

「ドアを開いただけで来るんだろ」

「あ」


 詰んだ。どうしたらいいんだー!!


 俺たちはその日、悩みに悩んだが、結論は出なかった。


あとがき


今回はちょっと短いですが、テストで短めで出してみようかなと思い短くしました!


かなりサクッと読めて、わかりやすいかなと!!


次回以降も短めがよければ、短めで出していきます!!


はたしてボスは倒せるのか!?


乞うご期待!!

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