見渡すかぎりの大草原、俺大草原不可避w
見渡すかぎりの大草原⋯
「いやーいい眺めだな〜っていつまでも見てる訳にはいけないな。ここどこだよ!!!」
さっきくぐったコンビニのドアは振り向いたらなくなっていたし、空には紫色の満月と緑色の三日月が浮かんでいる。
「ここ⋯⋯異世界だよな??変なとこ飛ばされちまったな⋯。でもあのヤべぇ色の月とかに飛ばされななかっただけまだマシか」⋯あの月の色のドギツさは某有名海外メーカーのアイスのようだ。
ふーむ、ここからどうやって帰るのかが最大の問題だよな。異世界にとばされたら、だいたい魔法とか使えるよな?もしかして、俺も異世界に来たことで魔法の力が宿っているかも!?そんでもって魔法陣で転移して帰るとかできるんじゃねぇか!?
「そんじゃまぁいきますか!!ステータスオープン!!!!」
シーン⋯
「ステータスーーーーオープンーーーーー!!!」
シーン⋯
「ステータスさーん、お願いしまーす」
シーン⋯
恥っず!!この世界こんな感じなのに、魔法ないのかよ!!いや、もしかしたら地球の洋服を着てることによってなんやかんやで魔法が弾かれてる可能性もある!可能性は一つずつ潰しておくべきだな。
幸いこの草原は俺一人!!!全裸でもう一度チャレンジだ!
「ステータス!オープン!」
ガサガサガサ
「なんだ!まさか俺のみなぎる力が⋯⋯」
完全に自分の世界に入っていた俺が振り向くとそこには人がいた。もう一度言おう、人がいた。正確には少年が俺の裸体をガン見しながら立っている。
「うあぁぁぁぁ!!お前いつからいた?見た?見ちゃった!?」
完全なるパニックになった俺は子供から距離をとりつつしゃがみこんだ。クソっ!まさか大学生にもなってこんな中二病全開の俺を見られるとは⋯恥づかしすぎる。子供は俺の言葉をガン無視して走り去っていった。
「ふー危なかった、地球だったら警察呼ばれて問答無用で犯罪者コースだったな。」洋服を着て草むらに横になっていると、ものすごい安堵感が俺を包みこむ。やっぱり洋服最高だな!大事なとこが守られてる感が半端ない。
ガサガサガサガサ
草むらにはさっきの子供が母親らしき女を連れて戻ってきていた。子供は俺がさっきまで立っていた場所を指差し、女は手にこん棒を持ち鼻息荒く怒った様子である。⋯⋯⋯うん。これは俺の事探してるな。そして確実に殺しにきてるな。この世界でも全裸&奇声をあげる成人男性はやっぱり変態だよな。
幸いにも草むらに囲まれて横たわっている俺の様子は向こうから見えていないようだった。
魔法はないことが分かったし、人間はいるようだが言葉も通じないようだ。今、あの人たちの前にでていくのは現実的ではないな。
いつまでも草原にいるわけにもいかないし、あの人達の後をつけて人間の集落的な場所の様子をうかがってみるか。
この広い草原に突然現れた親子を不思議に思っていたが、(まぁ突然この世界に現れたのは俺の方なんだが)その理由はいたってシンプルだった。この草原実は大きな要塞の上にある屋上のようなものだったのだ。親子の後をつけてなかったらこの草原に隠された階段を見つける事も降りることもできなかっただろうと思うと、俺グッジョブすぎる。
地上におりるとそこは大きな市街地が広がっていた。
「この要塞でかすぎるだろ⋯何km先まであるんだ!?」
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